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テレアポスクリプト作成のコツ|成果が出る“業界理解×ミッション理解”の実務ガイド

2025年11月20日

テレアポで成果を出すうえで、スクリプトの質は非常に重要です。

しかし実務の現場では、スクリプトだけを整えても成果が出ないケースが多く見られます。
それは、スクリプトという「言葉」以前に、ターゲット業界の構造・ミッション・1日の行動パターンを理解できていないためです。

もし、あなたが「スクリプトが弱い」「アポ率が安定しない」と感じているなら、その原因はスクリプトではなく、理解の深さにあります。

本記事では、十方株式会社が実際に現場で成果を上げてきたノウハウをもとに、“業界理解 × ミッション理解 × 一日の動き”を踏まえたスクリプト作成術を、実務的・具体的にまとめました。


目次


1. スクリプトだけでは成果が出ない理由

多くの企業は、「スクリプト=成果」と考えがちです。しかし現実は違います。

■ スクリプトが弱くても成果が出る人がいる理由

それは、業界知識・顧客理解・ミッション理解が深いからです。

つまり強い営業は、“相手が普段どんな仕事をしていて、何に困っているか”を理解したうえで話しているため、スクリプト以上の会話が自然にできるのです。

■ スクリプトだけ整えても成果が出ない典型例

  • ●相手の業界・職種の単語が分からない
  • ●決裁者の役割・KPIを知らない
  • ●相手の業務の忙しい時間帯を理解していない
  • ●刺さる課題・タイミングを知らない
  • ●アポの必要性を“相手側の利益”で説明できない

この状態では、スクリプトを読んでも“営業っぽさ”が出てしまい、決裁者へ届きません。


2. テレアポ成功率を決める“5つの要素”

スクリプトはテレアポ成功の一部にすぎません。
成果を最大化させるには、次の5つの要素の掛け算が必要です。

① 誰に(ターゲティング)

部署・役職・決裁フローを理解しているか。

② 何を(価値訴求)

相手の業界・職種が喜ぶ“短時間で伝わる価値”を提示できるか。

③ どうやって(フック)

電話を切られないための30秒トークの設計。

④ 聞き出す(質問)

相手の現状・課題・方向性を自然に引き出す質問力。

⑤ どこへ着地させるか(ゴール設定)

アポ設定/資料送付/後日架電などゴールに導く設計。

この5つが揃って初めて、スクリプトが“生きる道具”になります。


3. 成果が出るスクリプトの黄金構造(2025年版)

あらゆる業界・業種で通用する「黄金の型」を紹介します。
御社アポインターが実際に使って成果を出している構造です。


① 導入(0〜10秒)|受付・名乗り・目的明確化

ここで最も重要なのは「怪しさゼロ」です。

  • ●落ち着いた声
  • ●短く端的に
  • ●“誰に用件があるか”を明確に伝える

例:
「お世話になっております。○○の件で、人事ご責任者さまへお電話しております。」


② 要件提示(10〜30秒)|相手に負担を感じさせない30秒トーク

ここが最重要パート。
営業電話はここで切られるか、続けてもらえるかが決まります。

鉄則:

・“長く話しません”を最初に宣言
・業界特化で刺さる一言を入れる
・実績 or 比較情報を1つだけ提示

例(人材向け):
「30秒だけご挨拶させてください。御社と同規模の製造業様で“応募数が3倍に改善した事例”についてご紹介です。」


③ 信頼付け(30〜60秒)|肩書・実績・第三者情報

電話は“信頼ゼロ”から始まるため、早めに信頼の根拠を示す必要があります。

  • ●同業の実績
  • ●同規模企業の成功例
  • ●導入社数の提示

特に法人は「第三者の情報」に弱い傾向があります。


④ 質問(60〜120秒)|相手を“語らせる質問”を入れる

質問は次の順番が効果的です。

■ 鉄板の質問順序

  1. 現状の把握
    例:「現在、●●について何か課題は感じておられますか?」
  2. 課題の深掘り
    例:「改善したい点があるとしたら、どのあたりでしょうか?」
  3. 未来の方向性
    例:「来期に向けて、●●の強化予定はありますか?」

この流れはどの業界でも強いです。


⑤ 提案の仮説(120〜150秒)|“あなたの会社向けに話しています感”を出す

仮説提案は、相手に「この営業は理解している」と思わせる最強のパートです。

例(ITツール向け):
「御社のように多拠点展開されている企業様だと、現場の入力工数がボトルネックになりやすいので、●●の仕組みが合うと思います。」

“御社のような”を必ず入れるのがポイント。


⑥ アポ打診(150秒〜)|自然にアポへ案内する

アポ打診も定型でOKです。

例:
「5〜10分ほど、詳細を整理してご説明できるお時間を頂戴できますでしょうか?」

“短時間”と伝えるのは非常に強力です。


⑦ 断り文句への対応(150秒〜)|20種類に分類する

断りにはパターンがあります。

  • ●忙しい系
  • ●興味なし系
  • ●予算なし系
  • ●他社利用中系
  • ●決裁者ガード系
  • ●メールで系

パターンを決めておくことで、スクリプトの再現性が一気に高まります。

4. スクリプトに“業界理解”を組み込む方法

スクリプトは「文章を読む」作業ではありません。
“相手の業界を理解したうえで、響く言葉を投げる”技術です。

業界理解のないスクリプトは、決裁者にすぐ見抜かれます。
逆に、業界理解が深いスクリプトは、第一声の段階で信頼を勝ち取れます。


■ なぜ、業界理解がスクリプトに直結するのか?

決裁者は毎日、業務の中でさまざまな課題を抱えています。

  • ●採用人数が足りない(人材)
  • ●システム障害と業務工数が増えている(IT)
  • ●生産性・人手不足・安全管理が深刻(製造)
  • ●加算・定員維持・人員配置(介護)

これらは“業界の文脈”を知らないと刺さる言葉にできません。

スクリプト強者=業界のKPI・ミッション・現場の痛みを理解している営業

■ どんな情報を理解すれば「業界理解がある営業」になれるのか?

理解すべきは次の3つです。

  • ① ミッション(その業界の責任者が最優先で守る指標)
  • ② 一日の業務の流れ(いつ忙しい/何が負担か)
  • ③ 業界特有の課題と“刺さる言い回し”

これらを理解しておくと、スクリプトの説得力が段違いになります。


5. 【業界別】ミッション・一日の流れ・刺さるトーク例(実務レベル)

御社が強みを持つ「人材」「製造」「IT(SaaS)」「介護」の4業界に絞って、
現場アポインターが“即使えるレベル”で解説します。


▶ 人材業界(採用担当・人事責任者)

■ ミッション(絶対に外せないKPI)

  • ●必要人数の採用(充足率)
  • ●採用単価の最適化
  • ●選考歩留まりの改善
  • ●離職率の改善(定着)

とくに2025年は、
「応募数 × 面接設定率 × 歩留まり」
が大きく評価指標に影響します。

■ 一日の業務の流れ(典型例)

  • ●午前:応募処理(ATS)、社内調整、書類確認
  • ●午後:面接対応、エージェントや派遣会社の対応
  • ●夕方:求人票の修正・掲載管理
  • ●締切期:ひたすら面接日程調整

スクリプトで“忙しい時間帯”に踏み込むのはNGです。

■ 刺さるトーク例

「御社と同規模の企業様で、応募数が2.5倍に改善した事例がありまして…」

「面接設定率が低下している企業様向けの改善施策がありまして…」

“応募数”“歩留まり”“採用単価”は鉄板ワードです。


▶ 製造業(工場長・製造部長)

■ ミッション(絶対KPI)

  • ●生産性(ライン稼働率)
  • ●安全衛生管理
  • ●人手不足対応(派遣・外国人)
  • ●品質管理(不良率)

■ 一日の業務の流れ

  • ●朝礼 → 作業指示 → 現場巡回
  • ●昼:管理業務/システム入力/会議
  • ●夕方:翌日の準備・生産計画の確認

工場長は「現場問題」が最優先です。

■ 刺さるトーク例

「現場の人員配置に波がある企業様向けに…」

「安全管理と人材確保をセットで改善された企業様がありまして…」

製造の決裁者は、
“現場の負担が減る話”に非常に反応します。


▶ IT・SaaS(情報システム部・DX推進)

■ ミッション(絶対KPI)

  • ●システム安定稼働
  • ●運用工数削減
  • ●コスト最適化
  • ●セキュリティ強化

■ 一日の業務の流れ

  • ●午前:問い合わせ対応・障害確認
  • ●午後:IT機器管理・システム改善検討
  • ●夕方:ベンダー調整

■ 刺さるトーク例

「現場からの問い合わせが多く、保守工数が増えている企業様向けに…」

「御社のように○拠点以上を展開されている企業様で、データ統合の負担を減らした事例が…」

工数削減・安定稼働は鉄板ワード。


▶ 介護・医療(施設長・管理者)

■ ミッション(絶対KPI)

  • ●定員維持(稼働率)
  • ●加算の取得
  • ●人材確保・定着
  • ●人員配置基準の遵守

■ 一日の業務の流れ

  • ●午前:スタッフ配置・利用者対応
  • ●午後:会議・記録業務・加算管理
  • ●夕方:人員配置調整・翌日の準備

■ 刺さるトーク例

「加算要件の管理で負担が増えている施設様向けに…」

「定員維持・離職対策のセットで改善された事例がありまして…」

介護は“加算 × 人材 × 記録業務”が三大キーワード。


6. 【業界別】完全スクリプト例(実用レベル)

ここからは、業界別に“そのまま使えるスクリプト”を作成します。

御社のために、
人材/製造/IT/介護の4業界 × 30秒トーク × 質問 × アポ打診
まで完備した“実務特化スクリプト”を提示します。


▶ 人材業界向けスクリプト(応募課金/面接代行/RPO)

■ 30秒トーク

「30秒だけご挨拶させてください。御社と同規模の製造業様で、応募数が2.5倍・面接設定率が1.8倍に改善した事例があり、そのご紹介でお電話しています。」

■ 質問の型

  • ●「直近の採用で、応募数や歩留まりに課題を感じることはありますか?」
  • ●「どの職種の採用が最も難易度高いでしょうか?」

■ アポ打診

「5〜10分で、改善事例を含めてご説明できますので、一度お時間いただけますか?」


▶ 製造業向けスクリプト(派遣/技人国/DXツール)

■ 30秒トーク

「御社と同じく多品種少量生産をされている企業様で、人員配置の負担と生産性の波が改善した事例がありまして、そのご紹介です。」

■ 質問

  • ●「現場で人手が足りなくなるタイミングはどの工程でしょうか?」
  • ●「生産計画の読みづらさで課題を感じることはありますか?」

▶ IT・SaaS向けスクリプト(管理システム/DXソリューション)

■ 30秒トーク

「多拠点を運営されている企業様で、現場の入力工数と問い合わせ対応が30〜40%削減された事例があり、その概要のご紹介です。」

■ 質問

  • ●「情報システム部門の工数が特に増えるのはどの業務でしょうか?」
  • ●「運用改善のために、システム入れ替えを検討されることはありますか?」

▶ 介護・医療向けスクリプト(人材/記録システム/研修)

■ 30秒トーク

「加算要件の管理や人員配置で負担が増えている施設様が多く、月間の事務工数が30%以上削減できた事例があり、その件でお電話しています。」

■ 質問

  • ●「加算管理で特に負担が大きい業務はどの部分でしょうか?」
  • ●「職員の定着面で、最近感じられる課題はありますか?」

7. スクリプト運用・改善の実務フロー

スクリプトは「作って終わり」ではありません。
むしろ「作成後の運用 → 改善サイクル」が最も成果を左右します。

ここでは、十方株式会社が実際にアポインター育成で使っている
“成果が出るスクリプト運用フロー” を公開します。


① 毎日の振り返り(アポインター用チェック)

毎日の架電後に、以下の4点だけ振り返るだけで劇的に改善します。

  • ●切られたタイミングはどこだったか(導入/要件提示/質問)
  • ●相手の反応が薄かった理由は何か(業界理解不足?)
  • ●刺さったワードは何か(業界固有の言葉が重要)
  • ●次回修正するポイントは1つだけ決める

ポイントは“改善点を1つに絞る”ことです。
複数直そうとすると、逆に再現性が低くなります。


② 録音分析(週1回)|“声と空気”を分析する

録音の目的は「振り返り」ではありません。

“改善点の法則化”です。

■ 録音分析で見るべき項目

  • ●導入で不信感を与えていないか?
  • ●30秒トークが長すぎないか?
  • ●質問が抽象的になっていないか?
  • ●業界用語の理解が浅くないか?
  • ●仮説提案に根拠があるか?

録音分析を習慣化すると、
“強い営業の呼吸”が吸収できます。


③ KPIでスクリプトを評価する(週〜月)

スクリプトが効いているかは、数字ではっきり出ます。

■ 見るべきKPI

  • ●接続率
  • ●担当者接続率
  • ●決裁者接続率
  • ●アポ率

特に重要なのは
決裁者接続率 × アポ率
です。

スクリプトが弱い場合、この2つが必ず落ちます。


④ スクリプトの“筋肉”を育てる改善サイクル(十方式)

スクリプトは「関節」ではなく「筋肉」です。
鍛えるほど強くなります。

十方式の改善サイクルは以下の通りです。

  1. 録音分析で課題を特定
  2. 改善ポイントを1つだけ設定
  3. 翌日、同じスクリプトで繰り返す
  4. 数字の変化を確認する
  5. 改善されたら次の課題へ進む

このシンプルな循環が、
“アポ率が安定するスクリプト”を生みます。


⑤ スクリプトの改善は「言葉」ではなく「理解」の深堀りで行う

多くの人が「言い回しを変えれば成果が上がる」と思っています。
しかし実際は、
“理解の深さ”が変わらなければスクリプトは強くなりません。

■ 深堀りすべき理解領域

  • ●業界のKPI(人材なら応募・歩留まり、生産なら稼働率)
  • ●決裁者の一日の流れ(忙しい時間帯を避ける)
  • ●組織構造(どこが決裁者か)
  • ●その業界の“自然な悩みと季節性”

この理解が深まるほど、スクリプトは“刺さる言葉”に変わります。


8. まとめ|最強のスクリプトは“業界理解 × 顧客理解”で作られる

この記事で解説してきたポイントをまとめると、
スクリプトの成果は以下の要素で決まります。

  • ●スクリプト単体では成果は出ない
  • ●業界理解・ミッション理解が最重要
  • ●決裁者の一日を理解するとトークが変わる
  • ●刺さる30秒トークは“業界特化”が必須
  • ●質問の順序でアポ率は倍変わる
  • ●断り文句は7分類で対応可能
  • ●録音分析とKPI改善でスクリプトの筋肉が育つ

スクリプトとは、
「業界理解(縦軸) × 顧客理解(横軸)」の掛け算で生まれる“戦略そのもの”
です。

これらを継続して理解していくことで、
あなたのスクリプトは“読むもの”から“勝てる武器”へ変化します。

ぜひ、この記事の内容をもとに、
あなた自身のスクリプトを強化していってください。

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