トークスクリプトの作成
このページでは、トークスクリプトの作成方法についてお伝えします。
スクリプトを作成するには、主に5つのステップがあります。
スクリプト作成の5つのステップ
①自社紹介
自社の紹介です。短く簡潔に行ってください。
主に下記のようなものがございます。
・代表者経歴
・実績
・市場シェア率
・メディア露出事例
一例)
・当社の代表はもともと、〇〇におりまして~
・当社の〇〇は、〇〇万人の受講者実績を持っておりまして〜
・主に〇〇、〇〇様のご支援をやっておりまして〜
・テレビの〇〇にも取り上げられました〜
何が最も‘’刺さるか‘’はサービス内容、架電先の企業規模、業種などによって変わります。
実際に架電し、電話先の担当者のリアクションがふと変わるような言い回しは何か、検証を重ねてベストなものを選択して下さい。
②架電した理由
その企業に電話をかけた理由です。
テレアポは多くの場合、あらかじめ架電リストを用意して臨みますので、特定の企業だけに架電するわけではありません。
ただし、相手に無作為に架電していると思われるのと、理由があって電話をしてきた、と思われるのでは、まったく印象が異なります。
主に、自社が提供するサービスと架電先企業の事業内容などの親和性の高さについて説明すると好印象です。
一例)
・御社の〇〇、〇〇などの商品ページを拝見して、ウェブのプロモーションと非常に親和性が高いのではないかと思い、お電話いたしました。
・ホームページの採用ページでインフラエンジニアを募集されているのを拝見し、弊社がご支援している領域ですのでお電話いたしました。
・御社のIRを拝見し、過去に相当な数のM&Aに関してお取り組みされており、お力になれるのでは、と思いご連絡いたしました。
③サービス紹介
サービスの紹介です。ごく短く簡潔に行って下さい。
通常多くのアポインターはともすればサービスの紹介(機能、特徴、料金など)に時間を割こうとしますが、相手から質問された場合を除いて、詳細にサービスの説明を行うことはあえて断られる機会を提供しているようなものです。
④当日メリット
商談時にあなたが何をメリットとして相手に与えられるのか、に関する説明です。
トークスクリプトの中でも最重要な部分です。
架電時には、婉曲な断りの方法の一つとして、「とりあえず資料送っておいて」と言われることがままありますが、ぜひ、時間をとって、次の質問にお答えください。
「“資料送付”ではなく、なぜ、“訪問”(=対面での商談)である必要があるのか?」
「“訪問”(=対面での商談)だからこそ、提供できるメリットは何なのか?」
一例)
・お見積りをその場でお出しいたします
・デモ画面を実際に見ていただきながら~
・資料には書けないような具体的な数字もご案内しながら~
・資料には書けないような具体的な他社さまの事例もご案内しながら~
⑤不安の払しょく
①~④を話して相手が共感、納得しているにも関わらず、アポイントに至らないケースもあります。
その場合、相手は主に2つの不安を抱いている可能性が高いです。
a. 押し売りされるのではないかという不安
サービスを無理苦理押し売りされるのではないか、という不安です。
内容の検討によって、価値があれば検討して下さい、というスタンスを明示して下さい。
一例)
中身を見ていただいて御社にとって必要かどうか、検討するだけの価値があるか、どうかをまずは見ていただいて~
b. 変化を恐れる不安
大別すると、自分が所属する会社に変化を与えてしまうかもしれないという不安と自分自身が変化を迫られるのではないか、という不安です。
●自分が所属する会社に変化を与えてしまうかもしれない不安
既存の取引先との関係値を変えてしまうかもしれない恐れ、などです。
同様に比較検討の上、価値を感じていただければ、というスタンスを明らかにして下さい。
一例)
・もちろん、すでに色んなお取引先がおありだと存じます。そこを押しのけてと言うわけではありませんが、まずは、サービス、料金、実績面などで比較をいただいて~
●自分自身が変化を迫られるのではないか、という不安
自分が稟議を上げたり、急な決済を迫られるのではないか、という不安です。
法人組織のルールを理解していることを明示して下さい。
一例)
・どこの企業様も通期で予算を組まれて効果検証を繰り返しつつ、消化されていることと思いますので、来月から契約して下さい、というお話ではございません。
・決済に至るまでいろんな稟議もあるか、と思います。まずは御覧いただいて、価値を感じていただければ部内で上げていただいたり、部内で共有をいただければ、と存じます。
最期に5つのポイントの重要度を表すと下記のようになります。
▶5つのポイントの重要度
ポイント | 当社が考える重要度 | 一般的に考えられている重要度 |
---|---|---|
①自社紹介 | 中 | 中 |
②架電した理由 | 中 | 低 |
③サービス紹介 | 低 | 高 |
④アポイント当日のメリット | 高 | 低 |
⑤不安の払しょく | 中 | 低 |
サービスの説明が重要ではないとはいいませんが、誰しも自社のサービスに思い入れがあるあまり、説明の中心に添えてしまいがちです。
ただし、電話の向こうの相手にとっては、「いきなり」かかってきた電話です。
相手にとっては、あなたが提供しているサービスのスペックよりも、
・そもそもあなたが誰なのか?
・なぜ、電話してきたのか?
・なぜ、会いたいのか?
・会っても問題ない相手なのか?
といったことが気になるものです。
むしろ、気になるポイントはそこしかありません。
自分と相手の意識の齟齬をしっかりと把握することが、スクリプトを作成するスタート地点になります。