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営業人材が採用できない時代にどう戦う?営業職の人手不足が深刻化する原因と解決策を徹底解説
2026年6月23日
営業人材が採用できない時代にどう戦う?営業職の人手不足が深刻化する原因と解決策を徹底解説
はじめに
「求人を出しても営業職の応募が来ない」
「ようやく採用できても数か月で退職してしまう」
「既存の営業担当者に負荷が集中し、組織全体が疲弊している」
近年、このような悩みを抱える企業が急増しています。
特に中小企業やベンチャー企業では、営業人材の確保が以前にも増して難しくなっています。かつては求人広告を出せば一定数の応募が集まりましたが、現在は募集を出しても応募ゼロというケースも珍しくありません。
しかし、営業職は企業の売上を生み出す重要なポジションです。
優れた商品やサービスを持っていても、それを顧客に届ける営業人材が不足していれば事業成長は実現できません。
また、営業人材不足は単なる採用の問題ではありません。
・既存社員への負荷増大
・売上機会の損失
・顧客対応品質の低下
・離職率上昇
など、企業経営全体へ大きな影響を与えます。
そのため、「営業を採用する」という視点だけでなく、「営業組織全体をどう設計するか」という視点が求められる時代になっています。
本記事では営業職の人手不足が発生する背景から、採用強化策、定着率向上施策、生産性改善策まで詳しく解説します。
営業責任者や経営者の方はぜひ参考にしてください。
第1章 営業職の人手不足はなぜ深刻化しているのか
営業人材不足は単純に「営業が人気のない職業だから」という理由だけではありません。
社会構造や働き方の変化など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
まずは営業人材不足が発生している根本原因を理解しましょう。
生産年齢人口の減少が続いている
最も大きな要因は少子高齢化です。
日本では長年にわたり出生率の低下が続いており、働き手そのものが減少しています。
営業職だけでなく、
・建設業
・介護業界
・物流業界
・飲食業界
など幅広い業界で人材不足が深刻化しています。
例えば10年前は100人いた求職者を企業10社で取り合っていました。
しかし現在は80人の求職者を企業10社以上で取り合う状態になっています。
つまり企業努力だけでは解決できない市場環境の変化が起きているのです。
営業人材不足を考える際は、「自社の採用力不足」だけでなく、「市場全体の構造変化」を理解することが重要です。
営業職に対するネガティブなイメージ
営業職は昔から一定数の人気があります。
一方で、ネガティブなイメージを持たれることも少なくありません。
代表的なイメージとしては、
・ノルマが厳しい
・精神的にきつい
・断られ続ける
・残業が多い
・数字に追われる
などがあります。
特に営業未経験者の場合、営業職の実態を知らないため、こうしたイメージだけで応募を避けるケースがあります。
実際には、
・インサイドセールス
・カスタマーサクセス
・既存顧客営業
・反響営業
など、営業にもさまざまなスタイルがあります。
しかし求職者から見ると、それらが区別されずに「営業は大変そう」という一括りの認識になっていることも多いのです。
IT職や専門職へ人気が集中している
若年層のキャリア志向も大きく変化しています。
以前は営業職がビジネスパーソンの登竜門と言われることもありました。
しかし現在は、
・エンジニア
・マーケター
・データアナリスト
・デザイナー
・コンサルタント
などの専門職が人気を集めています。
理由は明確です。
専門スキルが身につけば転職市場で有利になるからです。
営業職も高度な専門職ですが、求職者側にはその認識が十分浸透していません。
結果として、営業人材の母集団そのものが縮小する傾向が続いています。
優秀な営業ほど転職市場で引く手あまた
営業人材不足が深刻化するもう一つの理由が、優秀な営業担当者の流動化です。
売上を作れる営業担当者は、どの企業でも欲しい存在です。
そのため、
・スカウト
・ヘッドハンティング
・転職エージェント
などを通じて常に声が掛かっています。
企業側からすると、
「営業経験者を採用したい」
と思っても、競合企業との争奪戦になります。
さらに給与や待遇だけでなく、
・働きやすさ
・成長環境
・人間関係
・企業理念
まで比較される時代です。
もはや企業が人材を選ぶ時代ではありません。
求職者が企業を選ぶ時代になっているのです。
若手世代の価値観が変化している
若手人材の価値観も大きく変化しています。
かつては、
「多少厳しくても稼げる会社」
が人気でした。
しかし現在は、
・ワークライフバランス
・心理的安全性
・柔軟な働き方
・自己成長
などを重視する人が増えています。
例えば、
「毎日遅くまで働いてでも高収入を目指したい」
という人もいますが、
「適切な労働時間で長く働きたい」
という人の方が増加傾向にあります。
企業側が昔の価値観のまま採用活動を行うと、若手人材とのミスマッチが発生しやすくなります。
採用競争が激化している
現在は営業職を募集している企業が非常に多く存在します。
求職者が転職サイトを開けば、
・メーカー
・IT企業
・人材会社
・不動産会社
・金融機関
など数多くの営業求人が表示されます。
つまり、自社だけが営業人材を探しているわけではありません。
営業経験者はもちろん、営業未経験者であっても企業同士の奪い合いが発生しています。
その結果、
・給与相場の上昇
・採用単価の上昇
・採用期間の長期化
が進んでいます。
昔と同じ採用活動では成果が出にくくなっているのです。
営業人材不足は今後も続く可能性が高い
ここまで見てきたように、営業人材不足の背景には、
・少子高齢化
・価値観の変化
・転職市場の活発化
・採用競争激化
という複数の要因があります。
そして、これらの要因は短期間で解消されるものではありません。
むしろ今後さらに深刻化する可能性があります。
だからこそ企業は、
「営業を採用する」
という発想だけでなく、
「営業組織をどう効率化するか」
「営業人材をどう定着させるか」
「少人数でも成果を出せる体制をどう作るか」
を考える必要があります。
次章では、営業人材不足によって企業にどのような問題が発生するのかを詳しく解説します。
第2章 営業人材不足によって発生する5つの問題
営業人材不足は単なる「人数が足りない」という問題ではありません。
営業部門は売上を生み出す組織であるため、人手不足が発生すると企業経営そのものに大きな影響を与えます。
また、多くの企業では人材不足の影響が徐々に進行するため、気付いた時には売上低下や離職増加など深刻な問題に発展しているケースも少なくありません。
ここでは営業人材不足によって起こる代表的な問題について解説します。
新規開拓活動が停滞する
営業人材不足で最も分かりやすく現れるのが新規開拓力の低下です。
営業活動には一定量の行動が必要です。
例えば、
・テレアポ
・問い合わせ対応
・メール営業
・紹介獲得
・商談実施
・提案活動
など、多くの工程があります。
営業担当者が10名いた組織が8名になれば、単純計算でも活動量は20%減少します。
しかし実際はそれ以上に影響が出ます。
なぜなら、残った営業担当者は既存顧客対応や事務作業にも追われるためです。
例えば1日50件架電していた担当者が、
・顧客対応
・見積作成
・社内会議
などに時間を取られれば、30件しか架電できなくなるかもしれません。
すると商談数が減り、数か月後には案件数が減少し、その後売上にも影響が出始めます。
営業人材不足は即座に売上が下がるわけではありません。
しかし数か月後に確実に影響が現れる、非常に怖い問題なのです。
既存顧客へのフォローが不足する
営業人材不足になると、多くの企業は新規営業を優先します。
当然です。
新しい売上を作らなければならないからです。
しかし、その結果として既存顧客への対応が後回しになってしまいます。
例えば、
・定期訪問ができない
・提案回数が減る
・問い合わせ対応が遅れる
・追加提案ができない
といった状態が発生します。
実は企業の利益は既存顧客から生まれる割合が非常に高いと言われています。
新規顧客を獲得するコストは、既存顧客維持の数倍かかるケースもあります。
それにもかかわらず、人手不足によって既存顧客へのフォローが弱くなれば、
・契約更新率低下
・解約増加
・競合への流出
などが発生します。
営業人材不足は、新規開拓だけでなく既存顧客維持にも悪影響を及ぼすのです。
一部の営業担当者への負荷集中が起こる
営業人材不足になると、成果を出せる人材へ業務が集中します。
これは多くの企業で起きている現象です。
例えば、
Aさん:月5件受注
Bさん:月2件受注
という状況なら、マネージャーは自然とAさんへ案件を集めたくなります。
短期的には正しい判断です。
しかし長期的には危険です。
優秀な営業担当者に
・案件
・問い合わせ
・トラブル対応
・後輩指導
まで集中し始めるからです。
すると本人の疲労が蓄積します。
さらに周囲との成果差も広がります。
最終的には、
「自分だけ負担が大きい」
という不満につながることもあります。
そして最も恐ろしいのは、その優秀な営業担当者が退職してしまうことです。
営業人材不足が、さらなる営業人材不足を生み出す悪循環に陥るケースは少なくありません。
営業マネージャーがプレイヤー化する
営業人材不足になると、管理職が現場へ戻るケースが増えます。
本来マネージャーの仕事は、
・目標管理
・育成
・採用
・仕組み作り
・組織改善
です。
しかし営業担当者が不足すると、
・商談対応
・見積作成
・顧客フォロー
・クレーム対応
などを自ら行うようになります。
すると何が起きるでしょうか。
マネジメント時間がなくなります。
部下育成が止まります。
採用活動も後回しになります。
営業プロセス改善も進みません。
つまり短期的な売上維持のために、長期的な組織強化が犠牲になるのです。
特に中小企業では、
「社長が営業をやっている」
「営業部長が一番数字を持っている」
という状況も珍しくありません。
もちろん悪いことではありません。
しかし、それが慢性化すると組織として成長できなくなります。
離職率が上昇する
営業人材不足が続くと、離職率上昇という問題が発生します。
なぜなら残った社員の負担が増えるからです。
例えば、
・残業時間増加
・案件増加
・クレーム対応増加
・休日対応増加
などが起こります。
最初は頑張れても、それが数か月続けば疲弊します。
特に若手社員は、
「この会社にいても将来が見えない」
と感じやすくなります。
すると退職者が発生します。
さらに人手不足になります。
そして残った社員の負担が増えます。
この負の連鎖が始まると、組織の立て直しは簡単ではありません。
営業人材不足の本当の怖さは、人数が足りないことではありません。
組織全体の活力を奪ってしまうことなのです。
採用コストが膨らみ続ける
営業人材不足が長期化すると、採用コストも増加します。
例えば、
・求人媒体掲載費
・人材紹介手数料
・スカウト費用
・面接工数
などが発生します。
営業職の場合、1名採用するために数十万円から100万円以上かかるケースも珍しくありません。
さらに、
採用した
↓
早期退職した
↓
再び採用するという状態になると、コストは際限なく膨らみます。
営業人材不足は採用部門だけの問題ではなく、経営課題そのものなのです。
営業人材不足は「採用問題」ではなく「経営問題」
ここまで見てきたように、営業人材不足が引き起こす問題は非常に広範囲に及びます。
・売上減少
・顧客満足度低下
・属人化
・離職率増加
・採用コスト上昇
これらはすべて企業の利益へ直結する問題です。
つまり営業人材不足は単なる採用課題ではありません。
経営課題そのものなのです。
だからこそ、
「もっと求人を出そう」
だけでは解決できません。
採用戦略、育成体制、定着施策、業務効率化などを総合的に見直す必要があります。
次章では、営業人材がなかなか採用できない企業に共通する特徴について詳しく解説します。
第3章 営業人材が採用できない企業に共通する特徴
営業人材不足に悩む企業の中には、
「最近の若者は営業をやりたがらない」
「求人を出しても応募が来ない」
「人材紹介会社に依頼しても良い人がいない」
と考えている経営者や営業責任者も少なくありません。
もちろん市場環境の変化はあります。
しかし実際には、継続的に営業人材を採用できている企業も存在します。
つまり、人材不足という外部要因だけでなく、自社の採用活動や組織づくりに課題があるケースも多いのです。
ここでは営業人材が採用できない企業に共通する特徴を解説します。
求人票が他社と同じ内容になっている
最も多い問題がこれです。
求人票を見ても、
・やりがいがあります
・成長できる環境です
・風通しの良い職場です
・未経験歓迎です
といった内容ばかりになっています。
しかし求職者からすると、どの会社も同じことを書いています。
例えば転職サイトで営業職を検索すると、何十社、何百社もの求人が表示されます。
その中で埋もれてしまう求人は、存在しないのと同じです。
求職者が知りたいのは、
・どんな営業をするのか
・どんな顧客を担当するのか
・どれくらい稼げるのか
・どんな人が働いているのか
です。
例えば、
「中小製造業の社長向けに営業します」
「商談はオンライン中心です」
「新規営業7割、既存営業3割です」
「未経験者の平均独り立ちは3か月です」
など、具体性のある情報が必要です。
採用できない企業ほど、求職者目線ではなく企業目線で求人票を書いている傾向があります。
仕事内容が曖昧である
営業職と言っても仕事内容は大きく異なります。
例えば、
・テレアポ中心
・訪問営業中心
・ルート営業
・インサイドセールス
・フィールドセールス
・反響営業
では、働き方も求められるスキルも全く違います。
しかし採用できない企業ほど、
「営業職募集」
だけで終わっているケースがあります。
求職者は営業経験者であればあるほど、
「どんな営業なのか」
を細かく確認します。
逆に仕事内容が曖昧だと、
「実際はきつい仕事なのではないか」
「入社後に話が違うのではないか」
という不安を抱きます。
結果として応募を避けられてしまうのです。
給与体系や評価制度が分かりにくい
営業職を希望する人の多くは成果意識が高い傾向があります。
だからこそ、
「成果を出したらどう評価されるのか」
を非常に重視します。
しかし、
・インセンティブあり
・頑張りを評価
・成果に応じて昇給
など曖昧な表現しかない企業も少なくありません。
例えば、
・アポ1件いくらなのか
・受注でいくら加算されるのか
・昇格基準は何か
・年収モデルはどうか
などを明確に示した方が求職者は安心できます。
営業職は成果が見えやすい職種です。
だからこそ評価制度の透明性が重要なのです。
教育体制が整備されていない
特に未経験者採用を行う場合に重要なのが教育体制です。
求職者は、
「営業経験がないけど大丈夫だろうか」
という不安を持っています。
その不安を解消できなければ応募にはつながりません。
例えば、
・研修期間は何週間か
・ロープレはあるのか
・商談同行はあるのか
・マニュアルは整備されているか
などを具体的に示す必要があります。
採用できている企業ほど、
「未経験から育てる仕組み」
を明確に打ち出しています。
逆に採用できない企業ほど、
「入社してから覚えてもらいます」
という状態になっています。
現場社員の雰囲気が伝わらない
求職者は仕事内容だけを見ているわけではありません。
むしろ近年は、
「誰と働くのか」
を重視する傾向が強くなっています。
特に若手世代は、
・上司との関係
・職場の雰囲気
・人間関係
を非常に気にします。
例えば、
・社員インタビュー
・営業担当者の1日
・社内イベント
・オフィス風景
などを発信している企業は安心感を与えられます。
一方で、
ホームページに社員の顔も出ていない。
求人票だけ掲載されている。
という企業は不安を与えてしまいます。
求職者は会社を選んでいるのではありません。
一緒に働く人を選んでいる側面もあるのです。
面接が一方的になっている
採用できない企業ほど面接を選考の場だと考えています。
もちろん選考ではあります。
しかし現在は求職者が企業を評価する場でもあります。
例えば、
面接官が会社説明をほとんどしない。
求職者の質問に曖昧に答える。
現場見学もさせない。
という状態では魅力は伝わりません。
優秀な営業人材ほど複数社を比較しています。
そのため、
「この会社で働くイメージ」
を持ってもらうことが重要です。
採用できる企業は面接を口説きの場として活用しています。
離職率が高い状態を放置している
採用より重要なのは定着です。
例えば毎年5人採用しても、
毎年5人辞めていれば意味がありません。
営業人材不足に悩む企業を分析すると、
実は採用ではなく離職が問題になっているケースも多くあります。
・上司との関係
・教育不足
・評価制度への不満
・業務負荷
・キャリア不安
などの原因を解消しなければ、人は定着しません。
採用を増やす前に離職理由を分析することが重要です。
「経験者しか採らない」という発想になっている
営業経験者は確かに即戦力です。
しかし営業経験者だけを追い続けると、採用市場では非常に厳しい戦いになります。
なぜなら、
営業経験者は全企業が欲しがっているからです。
一方で、
・接客経験者
・販売経験者
・コールセンター経験者
・サービス業経験者
などは営業適性を持っているケースが多くあります。
実際に成果を出している営業担当者の中には、営業未経験からスタートした人も少なくありません。
採用できる企業ほどポテンシャル採用が上手です。
「採用できない」のではなく「選ばれていない」
厳しい言い方になりますが、採用市場ではこの視点が重要です。
企業側は、
「人が来ない」
と考えがちです。
しかし求職者視点で見ると、
「応募したい理由が見つからない」
状態になっているケースもあります。
営業人材不足時代においては、
・給与
・働き方
・教育制度
・人間関係
・将来性
など総合力で選ばれる必要があります。
採用は求人広告だけの問題ではありません。
企業そのものの魅力が問われる時代なのです。
採用できる企業は「営業職を商品として売っている」
営業担当者は日々、
商品やサービスをお客様へ提案しています。
採用活動も同じです。
企業は求職者に対して、
「当社で働く価値」
を提案しなければなりません。
採用できる企業は、自社の営業職を魅力的な商品として伝えています。
一方で採用できない企業は、
「募集を出しているから応募が来るはず」
という考え方に留まっています。
営業活動と同様に、採用活動も競争です。
まずは求職者から選ばれる会社になることが重要です。
次章では、営業人材を確保するために企業が実践すべき採用戦略について詳しく解説します。
第4章 営業人材を確保するための採用戦略
前章では、営業人材が採用できない企業に共通する特徴を解説しました。
しかし、営業人材不足だからといって採用を諦める必要はありません。
実際に厳しい採用市場の中でも継続的に人材を確保している企業は存在します。
その違いは「運」ではありません。
採用に対する考え方と仕組みの差です。
営業組織を強化するためには、単に求人広告を出すだけではなく、戦略的な採用活動が必要になります。
ここでは営業人材を確保するための具体的な採用戦略を紹介します。
営業経験者だけにこだわらない
営業人材不足に悩む企業の多くは、
「即戦力が欲しい」
という理由から営業経験者ばかりを求めます。
もちろん即戦力採用にはメリットがあります。
・教育期間が短い
・商談経験がある
・業界知識を持っている
・成果が出るまでが早い
といった利点があります。
しかし現実問題として、優秀な営業経験者は非常に希少です。
さらに、
・大手企業
・上場企業
・高年収企業
も同じ人材を狙っています。
中小企業が経験者だけを追い続けると、採用競争で不利になるケースが少なくありません。
そこで重要なのがポテンシャル採用です。
営業経験がなくても、
・人と話すことが好き
・行動力がある
・素直に学べる
・目標達成意欲がある
といった人材は営業として成長する可能性があります。
むしろ前職の固定観念がないため、自社の営業スタイルを吸収しやすいケースもあります。
採用市場が厳しい時代だからこそ、経験だけで判断しない柔軟な視点が重要です。
営業適性を見極める採用基準を作る
採用がうまくいかない企業ほど、
「なんとなく良さそう」
で採用している傾向があります。
しかし営業職は適性の影響が大きい仕事です。
そのため、自社なりの採用基準を明確にする必要があります。
例えば、
・素直さ
・継続力
・行動量
・傾聴力
・ストレス耐性
・改善意識
などです。
意外かもしれませんが、
「話が上手い人」
が必ずしも営業に向いているわけではありません。
実際には、
・相手の話を聞ける
・指摘を受け入れられる
・失敗から学べる
人材の方が成長するケースも多くあります。
面接では経歴だけではなく、
「どんな行動特性を持っているか」
を見ることが重要です。
求人票を営業資料として作り込む
営業担当者は商談で商品の魅力を伝えます。
採用活動も同じです。
求人票は求職者向けの営業資料と考えるべきです。
例えば、
悪い例
・営業職募集
・未経験歓迎
・アットホームな職場
・やりがいがあります
良い例
・中小企業経営者向け提案営業
・平均商談数月20件
・未経験者の独り立ち平均3か月
・営業責任者が直接育成
・平均年収モデル公開
このように具体性を持たせることで応募率は大きく変わります。
求職者は「働くイメージ」が持てる会社を選びます。
曖昧な表現を減らし、具体的な情報を増やすことが重要です。
採用サイトやSNSを活用する
近年は求人媒体だけでは十分な応募を集められないケースが増えています。
求職者は応募前に必ず企業を調べます。
・ホームページ
・SNS
・口コミサイト
・社員インタビュー
などを確認します。
そのため、
「応募前の情報発信」
が重要になります。
例えば、
・営業メンバー紹介
・オフィス風景
・1日の仕事の流れ
・教育風景
・成功事例
などを発信すると、求職者の不安を減らすことができます。
特に営業職は職場の雰囲気が見えにくい職種です。
だからこそ現場のリアルを発信する価値があります。
リファラル採用を強化する
近年、多くの企業が力を入れているのがリファラル採用です。
リファラル採用とは社員紹介制度のことです。
社員が知人や友人を紹介する採用手法です。
メリットは非常に大きく、
・採用コストが安い
・ミスマッチが少ない
・定着率が高い
・企業文化に馴染みやすい
という特徴があります。
特に営業職は人柄やコミュニケーション力が重要なため、既存社員の紹介は非常に有効です。
実際に成長企業の中には、採用の半数以上が紹介採用というケースもあります。
営業人材不足時代だからこそ、社員のネットワークを活用する発想が重要です。
面接を「口説く場」に変える
営業職採用で成果を出している企業は、面接の考え方が違います。
面接を選考ではなく、
「相互理解の場」
として活用しています。
求職者は面接中に、
・どんな会社なのか
・どんな上司なのか
・どんな働き方なのか
を見ています。
特に優秀な営業人材ほど複数社を比較しています。
そのため、
会社説明を丁寧に行う
現場メンバーを紹介する
職場見学を実施する
キャリアパスを説明する
などの工夫が必要です。
採用市場では企業も選ばれる立場です。
その意識を持つだけでも採用成功率は大きく変わります。
採用スピードを見直す
営業人材採用ではスピードが重要です。
特に優秀な求職者ほど複数社から内定をもらいます。
例えば、
応募
↓
書類選考1週間
↓
一次面接2週間後
↓
最終面接さらに2週間後
↓
内定通知
という流れでは遅すぎます。
その間に他社へ決まってしまう可能性があります。
理想は、
応募
↓
3日以内に面接
↓
1週間以内に内定
です。
採用できる企業ほど意思決定が早い傾向があります。
営業活動と同じく、採用もスピード勝負なのです。
採用単価ではなく採用成功率で考える
採用活動ではコストばかりを気にする企業があります。
しかし本当に重要なのは採用成功率です。
例えば、
採用費50万円で優秀な営業担当者を採用できた場合
採用費10万円だが半年間誰も採用できなかった場合
どちらが得でしょうか。
当然前者です。
営業担当者が1人増えることで、
・売上増加
・顧客対応強化
・組織安定化
など多くのメリットが生まれます。
採用活動はコストではなく投資として考えるべきです。
採用活動を仕組み化する
営業組織が強い企業は採用も仕組み化しています。
例えば、
・面接評価シート
・採用基準
・教育カリキュラム
・オンボーディング制度
などが整っています。
逆に採用できない企業は、
その時の感覚で採用しているケースが少なくありません。
営業活動に再現性が必要なように、採用活動にも再現性が必要です。
属人的な採用から脱却し、継続的に人材を確保できる仕組みを構築することが重要です。
採用市場で勝つ企業は「待たない」
営業人材不足時代において、求人広告を出して応募を待つだけでは十分ではありません。
採用に成功している企業は、
・求人改善
・SNS発信
・紹介採用
・スカウト
・採用広報
など複数の施策を組み合わせています。
つまり営業活動と同じです。
待っているだけでは顧客が増えないように、待っているだけでは人材も集まりません。
積極的に求職者へアプローチする姿勢が必要なのです。
次章では、採用した営業人材を長く活躍させるための「定着率向上施策」について詳しく解説します。
第5章 営業人材の定着率を高める方法
営業人材不足について考える際、多くの企業は採用に目を向けます。
もちろん採用は重要です。
しかし実際には、
「採用できない」
こと以上に、
「採用しても定着しない」
ことの方が深刻な問題になるケースも少なくありません。
例えば年間5人採用しても、年間5人辞めていれば組織は成長しません。
採用コストも教育コストも無駄になってしまいます。
営業人材不足を根本的に解決するためには、採用力だけでなく定着率向上が欠かせません。
ここでは営業人材が長く活躍できる組織を作るための具体策を解説します。
入社後30日間を最重要期間として考える
営業職の早期離職は入社後数か月以内に発生することが少なくありません。
特に危険なのが最初の30日間です。
なぜなら、この期間に会社への印象がほぼ決まるからです。
例えば、
・放置される
・質問しづらい
・何をすれば良いか分からない
・教育担当がいない
という状態になると不安が急速に大きくなります。
そして、
「思っていた会社と違った」
という感情につながります。
逆に、
・毎日声を掛ける
・小さな成功を認める
・質問しやすい環境を作る
・進捗確認を行う
などのサポートがあると安心感が生まれます。
新人が辞める原因の多くは能力不足ではありません。
孤独感や不安です。
まずは入社後30日間を重点管理することが重要です。
オンボーディングを仕組み化する
オンボーディングとは、新入社員が会社へ早く馴染むための受け入れ体制です。
営業組織においては非常に重要な取り組みです。
採用できている企業ほど、教育を属人化させていません。
例えば、
入社1週目
・会社理解
・業界理解
・商品理解
入社2週目
・営業プロセス理解
・ロープレ
・顧客理解
入社3週目
・実践同行
・架電練習
・商談見学
入社4週目
・実務開始
・振り返り面談
というように段階的な教育を設計しています。
一方で定着率が低い企業は、
「隣の人が教える」
だけになっているケースもあります。
教育を個人任せにしないことが重要です。
小さな成功体験を積ませる
営業職は成果が見える仕事です。
だからこそ成果が出ない状態が続くと精神的な負担も大きくなります。
新人にありがちな失敗が、
いきなり大きな成果を求めることです。
例えば、
・初月から受注目標達成
・大型案件獲得
・高い商談化率
などを求めるとプレッシャーになります。
まずは小さな成功体験を積ませることが大切です。
例えば、
・担当者名が聞けた
・資料送付できた
・再コール先が増えた
・商談が設定できた
・初受注できた
などです。
特にテレアポやインサイドセールスでは、この考え方が非常に重要です。
成果だけではなく成長過程を評価することで、モチベーションを維持しやすくなります。
上司との定期面談を実施する
営業担当者が辞める理由として多いのが、
「上司との関係」
です。
実際には会社を辞めるのではなく、上司から離れたいというケースも少なくありません。
そのため定期的な1on1面談が重要になります。
例えば週1回でも、
・困っていること
・成功したこと
・今後の目標
・改善点
を話す機会を設けるだけで状況は変わります。
ここで重要なのは説教の場にしないことです。
面談の目的は管理ではありません。
支援です。
営業担当者が安心して相談できる環境を作ることが重要です。
「結果」だけで評価しない
営業職は数字が重要です。
しかし数字だけで評価すると定着率が下がることがあります。
例えば、
Aさん
・アポ10件
・受注3件
Bさん
・アポ3件
・受注1件
であればAさんの評価が高くなります。
それ自体は問題ありません。
しかし新人や若手まで同じ基準で評価すると、
「どうせ評価されない」
という感情が生まれます。
そのため、
・行動量
・改善活動
・挑戦
・チーム貢献
なども評価対象にすることが重要です。
特に育成段階ではプロセス評価が欠かせません。
結果だけを見る組織は人が育ちにくい傾向があります。
営業ノウハウを共有する文化を作る
成果を出している営業担当者がいても、
そのノウハウが共有されなければ組織は強くなりません。
例えば、
・商談録画共有
・架電録音共有
・成功事例発表
・ロープレ実施
などを行うことで再現性が高まります。
新人にとっても、
「何をすれば成果が出るのか」
が見えやすくなります。
また成果を出している社員が評価される機会にもなります。
個人戦ではなく組織戦へ変えることが重要です。
キャリアパスを明確にする
若手社員ほど将来性を重視します。
そのため、
「この会社で働き続けるとどうなるのか」
を明確に示す必要があります。
例えば、
営業担当
↓
リーダー
↓
マネージャー
↓
営業部長
という昇進ルート。
あるいは、
営業担当
↓
インサイドセールス責任者
↓
新規事業責任者
といったキャリアパスです。
将来像が見えない組織では離職率が高くなりやすい傾向があります。
逆に成長イメージを持てる企業は定着率も高くなります。
「働きやすさ」と「働きがい」の両方を整える
定着率向上というと福利厚生ばかりに目が向きがちです。
もちろん、
・休日
・残業時間
・給与
・福利厚生
は重要です。
しかしそれだけでは人は定着しません。
実際に長く活躍している営業担当者は、
・顧客に喜ばれる
・成果が評価される
・成長実感がある
・仲間との一体感がある
といった働きがいも感じています。
働きやすさだけではなく、働きがいも同時に作ることが重要です。
離職者へのヒアリングを行う
定着率を改善するためには退職理由を正しく把握する必要があります。
しかし多くの企業は退職者から本音を聞けていません。
退職時には、
「家庭の事情です」
「別のことに挑戦したくて」
と言われることもあります。
しかし実際には、
・上司との関係
・評価制度
・教育不足
・将来不安
などが原因であるケースも少なくありません。
退職者の声は組織改善のヒントです。
感情的にならず、改善材料として活用することが重要です。
人材不足時代は「採用力」より「定着力」が重要になる
営業人材不足が続く時代において、採用競争は今後さらに激しくなると考えられます。
その中で重要なのは、
「いかに採用するか」
だけではありません。
「いかに辞めない組織を作るか」
です。
採用した人材が3年、5年と活躍してくれれば、採用コストは大きな投資効果を生みます。
逆に早期離職が続けば、どれだけ採用しても人手不足は解消されません。
営業組織を強くするためには、
・教育
・評価
・マネジメント
・キャリア支援
を整備し、定着率向上へ取り組むことが不可欠です。
次章では、営業人材不足を補うために重要となる「営業組織の生産性向上」について詳しく解説します。
第6章 営業組織の生産性を高めて人手不足を補う方法
営業人材不足への対応というと、多くの企業はまず採用を考えます。
しかし現実には、すぐに優秀な営業担当者を採用できるとは限りません。
また、仮に採用できたとしても戦力化までには時間がかかります。
そこで重要になるのが営業生産性の向上です。
同じ10人の営業組織でも、
・成果が出る組織
・成果が出ない組織
では売上に大きな差が生まれます。
人を増やすだけではなく、今いる人材でより大きな成果を生み出せる仕組みを作ることが、人手不足時代の営業組織には求められています。
営業担当者の時間の使い方を可視化する
営業組織の改善は現状把握から始まります。
まず確認すべきなのは営業担当者が何に時間を使っているかです。
例えば1日の業務を分析すると、
・商談
・テレアポ
・メール対応
・資料作成
・見積作成
・社内会議
・移動
などさまざまな業務があります。
しかし実際には、売上に直結する活動へ使える時間は意外と少ないケースがあります。
例えば1日8時間勤務でも、
商談:2時間
事務作業:3時間
会議:2時間
移動:1時間
という状態であれば、営業活動に十分な時間を使えていません。
営業責任者はまず、
「営業担当者の時間がどこで失われているのか」
を把握する必要があります。
改善ポイントはそこから見えてきます。
営業プロセスを分解してボトルネックを特定する
売上は複数の工程によって構成されています。
例えば新規開拓営業なら、
リスト作成
↓
架電
↓
担当者接続
↓
アポイント獲得
↓
商談実施
↓
提案
↓
受注
という流れになります。
営業成績が悪い場合、
どこかの工程で問題が発生しています。
例えば、
・担当者接続率が低い
・アポ率が低い
・商談化率が低い
・受注率が低い
などです。
しかし多くの企業は最終結果しか見ていません。
重要なのはプロセスごとの数字を管理することです。
どこに課題があるか分かれば改善策も明確になります。
属人化している業務を洗い出す
営業組織でよくある問題が属人化です。
例えば、
「あの人しか分からない案件」
「あの人しか取れないアポイント」
「あの人しかできない提案」
が増えると組織は不安定になります。
特に営業人材不足の状態では危険です。
優秀な営業担当者が退職した瞬間に売上が大きく落ちる可能性があります。
属人化を防ぐためには、
・営業マニュアル
・トークスクリプト
・提案資料
・成功事例集
などを整備する必要があります。
個人の力を組織の力へ変換することが重要です。
成果が出る営業手法を標準化する
トップ営業のやり方を観察すると、多くの共通点があります。
例えば、
・質問の仕方
・ヒアリング順序
・提案方法
・クロージング手法
などです。
しかしそれが共有されていない企業も少なくありません。
例えばトップ営業だけが月間10件受注している場合、
そのノウハウを全員へ展開できれば組織全体の成果向上につながります。
そのためには、
・商談録画
・録音共有
・ロープレ
・勉強会
などを活用することが有効です。
成果を出す人を増やすことが、生産性向上への近道です。
会議時間を見直す
営業組織では会議が増えやすい傾向があります。
もちろん情報共有は重要です。
しかし、
・目的が曖昧
・結論が出ない
・参加者が多すぎる
会議は営業活動の時間を奪います。
例えば営業担当者10人が1時間会議を行えば、
組織全体で10時間の工数を消費します。
その10時間で、
・架電
・商談
・提案
ができたかもしれません。
営業責任者は会議の費用対効果を考える必要があります。
短時間で成果につながる会議へ改善することが重要です。
営業活動の優先順位を明確にする
営業担当者は常に多くのタスクを抱えています。
そのため優先順位を間違えると成果が落ちます。
例えば、
・見込み度の高い案件
・既存顧客フォロー
・再アプローチ先
・新規開拓
をすべて同じ優先度で扱うと効率が悪くなります。
重要なのは、
「売上につながる確率が高い活動」
へ時間を集中することです。
特に営業人材不足の状況では、限られた時間を最大限活用しなければなりません。
CRM・SFAを活用する
営業生産性向上に欠かせないのが情報管理です。
営業担当者ごとに情報を持っている状態では、
・引継ぎができない
・進捗が見えない
・分析できない
という問題が発生します。
CRMやSFAを活用すれば、
・案件状況
・商談履歴
・顧客情報
・受注見込み
などを共有できます。
結果として、
管理工数削減
属人化防止
予測精度向上
が期待できます。
AIや自動化ツールを活用する
近年は営業支援ツールも進化しています。
例えば、
・商談文字起こし
・議事録作成
・メール文章作成
・顧客分析
・営業データ分析
などをAIが支援できるようになっています。
以前は営業担当者が1時間かけていた作業が10分で終わることもあります。
営業人材不足時代においては、
「人を増やす」
だけでなく、
「人の作業を減らす」
という視点も重要です。
KPIを細かく管理する
営業生産性向上には数値管理が欠かせません。
例えば、
・架電数
・担当者接続率
・アポ率
・商談化率
・提案率
・受注率
などです。
数字がなければ改善できません。
特に営業責任者は、
結果だけではなくプロセスを見る必要があります。
例えば受注が減った場合でも、
商談数が減ったのか
受注率が下がったのか
によって対策は変わります。
数字によるマネジメントが重要です。
「営業人数=売上」という発想から脱却する
営業人材不足に悩む企業ほど、
「人を増やさなければ売上は伸びない」
と考えがちです。
しかし実際には、
・営業プロセス改善
・業務効率化
・標準化
・DX推進
によって大きく成果が変わります。
例えば、
営業担当者10人で月100件商談していた企業が、
業務改善によって150件商談できるようになれば、実質的に5人増員したのと同じ効果を得られます。
採用が難しい時代だからこそ、生産性向上の重要性はさらに高まっています。
人手不足時代は「人数」ではなく「仕組み」が競争力になる
営業人材不足は今後も続く可能性があります。
その中で成果を出す企業は、
人海戦術ではなく仕組み化を進めています。
・誰でも一定成果を出せる
・ノウハウが共有される
・無駄な業務が少ない
・データで改善できる
こうした営業組織は、人材不足の影響を受けにくくなります。
採用だけに頼るのではなく、生産性向上によって営業力を高めることが重要です。
次章では、営業人材不足を補う有効な方法として注目されている「営業活動の分業化」について詳しく解説します。
第7章 営業活動を分業化するという選択肢
営業人材不足への対策として、多くの企業は採用や教育に注力します。
もちろん重要な取り組みです。
しかし近年、成果を出している企業は別のアプローチも取り入れています。
それが営業活動の分業化です。
従来の営業組織では、一人の営業担当者が最初から最後まで担当することが一般的でした。
しかし営業プロセスが複雑化した現在では、そのやり方に限界が見え始めています。
特に営業人材不足が深刻化する中では、
「一人にすべてを任せる」
のではなく、
「役割ごとに専門化する」
という考え方が重要になっています。
ここでは営業分業化の考え方とメリットについて解説します。
従来の営業スタイルには限界がある
従来型営業では、一人の営業担当者が以下の業務を担当することが一般的でした。
・見込み客リスト作成
・新規開拓
・テレアポ
・メール営業
・商談
・提案書作成
・クロージング
・契約後フォロー
一見すると効率的に見えます。
しかし実際には、それぞれ求められる能力が異なります。
例えば、
テレアポが得意な人
商談が得意な人
クロージングが得意な人
顧客フォローが得意な人
は必ずしも同じ人物ではありません。
また、一人ですべてを担当すると業務量も膨大になります。
結果として、
・新規開拓不足
・顧客フォロー不足
・提案品質低下
などの問題が発生しやすくなります。
営業人材不足の時代だからこそ、営業担当者の能力を最大限活かす仕組みが必要なのです。
営業活動を工程ごとに分ける
営業活動は大きく分けると以下の工程になります。
①見込み客発掘
②アポイント獲得
③商談
④提案
⑤受注
⑥既存顧客フォロー
これらを全員が担当する必要はありません。
例えば、
インサイドセールス
↓
フィールドセールス
↓
カスタマーサクセス
という形で役割を分けることができます。
この考え方を導入する企業は年々増えています。
理由はシンプルです。
その方が効率的だからです。
インサイドセールスを活用する
営業分業化の代表例がインサイドセールスです。
インサイドセールスは主に、
・テレアポ
・メール営業
・問い合わせ対応
・見込み客育成
などを担当します。
目的は商談機会を創出することです。
例えば商談担当者が1日中テレアポをしている状態では、
商談準備や提案活動に十分な時間を使えません。
そこで、
商談獲得まではインサイドセールスが担当し、
商談以降はフィールドセールスが担当する仕組みを作ります。
すると商談担当者は本来の強みを発揮できるようになります。
フィールドセールスは商談と受注に集中する
フィールドセールスの役割は受注獲得です。
そのため、
・顧客課題のヒアリング
・提案
・クロージング
などに集中できる環境が理想です。
しかし営業人材不足の企業では、
午前中テレアポ
↓
午後商談
↓
夕方提案資料作成
↓
夜に事務作業
という状態になっていることもあります。
これでは本来の営業力を発揮できません。
分業化によって商談へ集中できる環境を作ることで受注率向上が期待できます。
カスタマーサクセスを設置する
人手不足の企業ほど新規営業へリソースを集中させがちです。
しかし利益を生み出しているのは既存顧客であるケースも少なくありません。
そこで重要になるのがカスタマーサクセスです。
主な役割は、
・顧客フォロー
・活用支援
・アップセル提案
・契約更新支援
などです。
既存顧客対応を専門化することで、
営業担当者は新規開拓へ集中できるようになります。
また顧客満足度向上にもつながります。
分業化によって教育効率が向上する
営業人材不足の時代では育成スピードも重要です。
分業化には教育面のメリットもあります。
例えば、
新規営業
商談
クロージング
顧客フォロー
すべてを一度に教えるのは大変です。
しかし、
まずはテレアポだけ
次に商談
その後クロージング
という形なら教育しやすくなります。
新人も成功体験を積みやすくなります。
結果として早期戦力化につながります。
営業担当者の離職防止にもつながる
営業担当者が離職する理由の一つが業務過多です。
特に優秀な営業担当者ほど、
・新規開拓
・商談
・既存顧客対応
・クレーム対応
などが集中しやすくなります。
その結果、
疲弊
↓
モチベーション低下
↓
退職
という流れが発生します。
分業化によって業務負荷を適切に分散できれば、離職防止にもつながります。
営業人材不足時代だからこそ、今いる人材を守ることも重要なのです。
分業化できない企業が陥りやすい問題
営業活動を分業化できていない企業では、
・新規開拓不足
・商談不足
・既存顧客フォロー不足
・属人化
・長時間労働
などが発生しやすくなります。
特に中小企業では、
「人数が少ないから仕方ない」
と考えがちです。
しかし人数が少ないからこそ役割設計が重要になります。
限られた人員を最大限活用するためにも、分業化の考え方は欠かせません。
すべてを内製化する必要はない
ここで重要な考え方があります。
それは、
「すべて自社でやる必要はない」
ということです。
営業人材不足が続く中、
・採用できない
・教育が追いつかない
・新規開拓が進まない
という企業も多くあります。
その場合は外部リソースの活用も有効です。
例えば、
・営業代行
・インサイドセールス代行
・テレアポ代行
などです。
自社社員は商談や提案に集中し、
新規開拓やアポイント獲得は外部へ委託する。
このような体制を構築する企業も増えています。
人手不足時代は「自前主義」からの脱却が必要
かつては営業活動をすべて自社で行うことが当たり前でした。
しかし現在は人材獲得競争が激化しています。
そのため、
採用する
育成する
定着させる
だけでなく、
必要な機能を外部活用する
という発想も重要になっています。
営業人材不足の解決策は採用だけではありません。
営業活動を分業化し、適材適所で役割を配置することも有効な経営戦略なのです。
次章では、営業人材不足をさらに補う手段として注目される「営業DXとAI活用」について詳しく解説します。
第8章 営業DXで人手不足を補う方法
営業人材不足への対策として、採用や教育、分業化は非常に重要です。
しかし、それだけでは限界があります。
なぜなら今後も労働人口の減少が続く可能性が高いからです。
つまり、
「人を増やして解決する」
だけではなく、
「少ない人数でも成果を出せる仕組みを作る」
ことが求められています。
そこで近年、多くの企業が取り組み始めているのが営業DXです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞くと難しく感じるかもしれません。
しかし本質はシンプルです。
営業担当者が本来やるべき仕事に集中できる環境を作ることです。
ここでは営業DXによって営業人材不足を補う具体的な方法を解説します。
営業担当者は意外と営業していない
営業責任者の方に、
「営業担当者は何に時間を使っていますか?」
と質問すると、多くの場合、
「商談」
「顧客対応」
という回答が返ってきます。
しかし実際に分析してみると、
・報告書作成
・議事録作成
・メール作成
・見積作成
・データ入力
・社内会議
などに多くの時間が使われています。
例えば1日8時間勤務のうち、
商談:2時間
営業準備:2時間
事務処理:3時間
その他:1時間
というケースも珍しくありません。
つまり営業担当者は営業以外の業務に多くの時間を奪われているのです。
営業DXの目的は、この無駄な時間を減らすことにあります。
CRM・SFAで情報共有を効率化する
営業DXの基本となるのがCRMやSFAです。
CRMは顧客管理システム。
SFAは営業支援システムです。
これらを活用することで、
・顧客情報
・商談履歴
・案件状況
・提案内容
などを一元管理できます。
例えば担当者が退職した場合でも、
顧客とのやり取りが残っていれば引継ぎがスムーズになります。
また営業責任者も、
どの案件が進んでいるのか
どこで停滞しているのか
を把握しやすくなります。
属人化防止という意味でも大きな効果があります。
商談録画・録音を活用する
以前は営業教育といえば同行が中心でした。
しかし現在は商談録画や通話録音を活用できる時代です。
例えば、
・オンライン商談録画
・電話録音
・Web会議録画
などです。
これらを活用することで、
トップ営業の商談を共有できる
新人教育を効率化できる
改善ポイントを発見できる
というメリットがあります。
特に営業人材不足の時代は、教育効率の向上が非常に重要です。
録画や録音は優秀な営業担当者を増やすための有効な手段になります。
AIによる議事録作成を活用する
近年、多くの企業が導入しているのがAIによる議事録作成です。
従来は、
商談
↓
メモ整理
↓
議事録作成
↓
CRM入力
という流れでした。
しかし現在は、
商談を録音
↓
AIが文字起こし
↓
要約作成
↓
CRM連携
まで自動化できるツールも増えています。
営業担当者は議事録作成に使っていた時間を顧客対応へ回せるようになります。
1回あたり30分短縮できるだけでも年間では大きな差になります。
AIを活用したメール作成
営業担当者は多くのメールを作成します。
例えば、
・お礼メール
・提案メール
・日程調整
・フォローメール
などです。
これらを毎回ゼロから作ると大きな工数になります。
現在はAIを活用することで、
文章作成
要約
添削
などを短時間で行えるようになっています。
もちろん最終確認は必要ですが、大幅な効率化が可能です。
営業担当者の生産性向上に直結する活用方法の一つです。
MAツールで見込み客育成を自動化する
営業担当者が不足している企業では、
「すぐに商談にならない見込み客」
への対応が後回しになりがちです。
しかし実際には、
今すぐ客だけでなく
そのうち客
も重要です。
そこで活用されるのがMA(マーケティングオートメーション)です。
例えば、
・メール配信
・セミナー案内
・資料提供
・行動分析
などを自動化できます。
営業担当者が個別対応しなくても、見込み客との接点を維持できます。
結果として商談化率向上につながります。
データ活用による営業改善
営業現場では、
「なんとなく」
で判断されることも少なくありません。
しかし営業DXを進めることで、
・架電数
・接続率
・アポ率
・商談化率
・受注率
などを可視化できます。
例えば、
A業界はアポ率が高い
B業界は受注率が高い
ということが分かれば営業戦略も変わります。
感覚ではなくデータで判断できる組織は強い組織です。
オンライン商談を活用する
営業活動の中で意外と大きな負担になるのが移動時間です。
例えば、
片道1時間
往復2時間
の訪問商談を週5回行えば、10時間が移動に消えます。
オンライン商談を活用すれば、この時間を削減できます。
もちろん対面が必要な場面もあります。
しかし初回商談や情報交換であればオンラインで十分なケースも増えています。
営業人材不足の時代では、移動時間削減も重要な生産性向上施策です。
DXは大企業だけのものではない
営業DXというと、
「大企業向け」
「予算が必要」
というイメージを持つ方もいます。
しかし現在は、
・低価格CRM
・AI文字起こし
・オンライン商談ツール
・営業支援ツール
など中小企業でも導入しやすいサービスが増えています。
重要なのは高額なシステムを導入することではありません。
営業担当者の時間を生み出すことです。
その視点で考えれば、小さな改善でも大きな効果を得られる可能性があります。
人手不足時代は「人を増やす」より「無駄を減らす」
営業人材不足が続く中、
採用競争は今後さらに激しくなるでしょう。
そのため、
人を増やす
という発想だけでは限界があります。
重要なのは、
営業担当者が本来やるべき仕事に集中できる環境を作ることです。
・商談
・提案
・顧客対応
・関係構築
など、人にしかできない仕事へ時間を使う。
一方で、
・入力作業
・報告作業
・集計作業
・議事録作成
などはDXやAIで効率化する。
この考え方が営業人材不足時代の重要な戦略になります。
次章では、営業人材不足時代に企業が持つべき考え方と、今後求められる営業組織のあり方について解説します。
第9章 人手不足時代の営業組織に求められる考え方
ここまで営業人材不足の原因や対策について解説してきました。
採用強化
定着率向上
営業生産性改善
営業DX
分業化
など、企業が取り組むべき施策は数多くあります。
しかし営業人材不足が長期化する中で、最も重要なのは経営者や営業責任者の考え方かもしれません。
これまでと同じ発想では、今後ますます厳しくなる採用市場に対応できなくなる可能性があります。
ここでは人手不足時代に求められる営業組織の考え方について解説します。
「人を増やせば解決する」という考え方を見直す
営業人材不足に直面した企業の多くは、
「まず採用しよう」
と考えます。
もちろん採用は重要です。
しかし現在の採用市場では、
応募が来ない
採用できない
採用しても定着しない
という問題が発生しやすくなっています。
つまり、
採用=解決策
ではなくなっているのです。
これからの営業組織は、
人を増やす
だけでなく、
・仕組みを作る
・効率化する
・分業化する
・外部活用する
という視点が必要になります。
営業担当者を「消耗品」にしない
営業組織で起きがちな問題があります。
それは成果を出す人へ仕事が集中することです。
例えば、
アポが取れる人
受注できる人
顧客対応が上手い人
に案件が集まります。
短期的には売上が伸びるかもしれません。
しかし長期的には危険です。
なぜなら、
疲弊
↓
モチベーション低下
↓
離職
という流れが起こりやすいからです。
営業人材不足時代では、
採用よりも定着の方が難しい場合があります。
だからこそ優秀な営業担当者を守る組織づくりが必要です。
属人化から組織営業へ転換する
営業人材不足が深刻な企業ほど属人化している傾向があります。
例えば、
「この顧客はAさんしか分からない」
「この商材はBさんしか売れない」
という状態です。
しかしこれでは組織が成長できません。
今後求められるのは、
個人の営業力
から
組織の営業力
への転換です。
具体的には、
・マニュアル整備
・営業プロセス標準化
・ノウハウ共有
・教育制度整備
などです。
誰かが辞めても成果を維持できる組織が強い組織なのです。
採用力よりも再現性が重要になる
営業人材不足の時代では、
「すごい営業マンを採用する」
ことが難しくなります。
だからこそ、
普通の人でも成果を出せる仕組み
が重要になります。
例えば、
・営業マニュアル
・トークスクリプト
・ロープレ
・録音共有
・成功事例共有
などです。
トップ営業1人に依存するのではなく、
平均点以上の営業担当者を増やすことが重要になります。
これが再現性のある営業組織です。
採用市場は今後さらに厳しくなる可能性が高い
少子高齢化は今後も続きます。
そのため営業職に限らず、多くの業界で人材不足が続く可能性があります。
つまり、
「そのうち人材不足は解消される」
と考えるのは危険です。
むしろ、
人が採れない前提
で組織を設計する必要があります。
そのためには、
・定着率向上
・生産性向上
・DX推進
・分業化
などを進めることが重要です。
外部リソース活用も経営戦略の一つ
以前は営業活動を内製化する企業が大半でした。
しかし現在では考え方が変わりつつあります。
経理を外注する。
物流を外注する。
システム開発を外注する。
これと同様に営業活動の一部を外部活用する企業も増えています。
特に、
・採用が難しい
・教育が追いつかない
・新規開拓が不足している
という企業では有効な選択肢になります。
重要なのは、
自社でやるか
外部へ任せるか
ではなく、
最も成果が出る方法を選ぶことです。
まとめ
営業職の人手不足は、多くの企業が抱える経営課題の一つになっています。
その背景には、
・少子高齢化
・労働人口減少
・採用競争激化
・働き方の変化
などさまざまな要因があります。
そして営業人材不足は単なる採用問題ではありません。
・売上機会の損失
・顧客満足度低下
・離職率上昇
・属人化
・採用コスト増加
など企業全体へ大きな影響を与えます。
そのため企業は、
・採用力強化
・定着率向上
・営業プロセス改善
・営業DX推進
・分業化
を総合的に進める必要があります。
また、人材不足が続く時代においては、
「採用して解決する」
だけではなく、
「今いる人材で最大成果を出す」
という発想も欠かせません。
営業活動の効率化や仕組み化を進めることで、人手不足の影響を最小限に抑えることが可能になります。
さらに、自社だけで営業リソースを確保することが難しい場合は、営業代行やテレアポ代行を活用する方法もあります。
例えば、新規開拓やアポイント獲得を外部へ委託することで、社内営業担当者は商談や提案、顧客フォローといった本来注力すべき業務へ集中できます。
営業人材不足は今後も続く可能性があります。
だからこそ、
「人を採る」
だけではなく、
「仕組みで成果を出す」
という視点を持つことが、これからの営業組織には求められるのです。
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