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分業型営業で成果が出ない理由とは?インサイドセールスとフィールドセールスの連携改善ガイド
2026年6月12日
分業型営業とは?ISとFSそれぞれの役割を整理
近年、多くの企業で営業活動の分業化が進んでいます。従来は1人の営業担当者が見込み顧客の発掘から商談、契約、フォローまでを一貫して担当するケースが一般的でした。しかし、人材不足や営業活動の高度化を背景に、各工程を専門チームで担当する「分業型営業」が注目されています。
特にBtoB営業では、インサイドセールス(IS)とフィールドセールス(FS)を分けて運営する企業が増えています。一方で、「アポイントは取れているのに受注につながらない」「営業同士の不満が絶えない」といった課題も多く聞かれます。
まずは、分業型営業の基本的な考え方と、IS・FSそれぞれの役割について整理していきましょう。
インサイドセールス(IS)の役割
インサイドセールスとは、電話やメール、オンライン商談などを活用して顧客との接点を作る営業部門です。
主な業務としては以下があります。
・見込み顧客へのアプローチ
・問い合わせ対応
・リードナーチャリング
・商談機会の創出
・アポイント獲得
・顧客情報の収集
インサイドセールスの最大の役割は、「商談の可能性がある顧客を見極めてフィールドセールスへ引き渡すこと」です。
例えば、資料請求をした企業に連絡を行い、現在の課題や導入時期、決裁者の有無などを確認します。その結果、商談化の可能性が高いと判断した顧客をフィールドセールスへ引き継ぐ流れになります。
つまり、インサイドセールスは営業活動の入口を担当する存在と言えるでしょう。
フィールドセールス(FS)の役割
フィールドセールスは、実際の商談や提案活動を担当する営業部門です。
主な業務は以下の通りです。
・商談の実施
・課題ヒアリング
・提案書作成
・見積提出
・クロージング
・契約締結
インサイドセールスから引き継がれた顧客に対し、具体的な提案を行い受注へつなげることが求められます。
商談では単にサービス説明を行うだけではなく、顧客が抱える課題を整理し、自社サービスによってどのような成果が得られるのかを示す必要があります。
また、競合との比較や社内稟議への対応など、受注に向けた高度な営業スキルも必要です。
そのため、フィールドセールスは営業活動の中でも特に専門性が高いポジションと言えるでしょう。
分業型営業が注目される理由
営業の分業化が進んでいる背景には、営業効率を高めたいという企業側のニーズがあります。
例えば、フィールドセールスが新規開拓から商談までをすべて担当している場合、アポイント獲得に多くの時間を取られてしまいます。
本来であれば商談や提案活動に集中すべき人材が、電話営業やリスト作成に追われることになります。
そこで、
・インサイドセールスが商談機会を創出する
・フィールドセールスが商談に集中する
という役割分担を行うことで、生産性向上を目指す企業が増えているのです。
実際に分業化によって商談数や受注率が改善した事例も少なくありません。
特に営業担当者の採用が難しくなっている現在では、限られた人員で成果を最大化する手法として注目されています。
分業化によって得られるメリット
分業型営業にはさまざまなメリットがあります。
まず挙げられるのが営業活動の効率化です。
それぞれが得意分野に集中できるため、業務品質の向上が期待できます。
また、営業プロセスが可視化されることも大きなメリットです。
例えば、
・架電数
・アポイント率
・商談化率
・受注率
などを工程ごとに管理できるため、どこに課題があるのかを把握しやすくなります。
さらに教育面でも効果があります。
新人営業がいきなり商談を担当するのではなく、まずはインサイドセールスとして顧客対応を経験することで、段階的な育成が可能になります。
このように分業型営業は多くのメリットを持っています。
しかし、役割を分けただけで成果が出るわけではありません。
実際には、ISとFSの間で情報共有が不足したり、評価基準の違いから対立が生まれたりするケースも少なくありません。
次章では、なぜISとFSの連携がうまくいかなくなるのか、その代表的な原因について詳しく解説します。
ISとFSの連携がうまくいかない5つの原因
分業型営業は営業効率を高める有効な手法ですが、実際の現場では「インサイドセールス(IS)とフィールドセールス(FS)がうまく連携できていない」という悩みを抱える企業が少なくありません。
せっかくアポイントを獲得しても受注につながらない、商談後のフィードバックが共有されない、お互いに不満を抱えているといった状況は、多くの営業組織で見られます。
営業成果を高めるためには、まず分断が起きる原因を理解することが重要です。
ここでは、ISとFSの連携がうまくいかなくなる代表的な5つの原因を解説します。
KPIが異なっている
最も多い原因の一つが、両者の評価指標が異なることです。
例えば、インサイドセールスは「アポイント件数」で評価され、フィールドセールスは「受注件数」で評価されるケースがあります。
この場合、インサイドセールスはアポイント数を増やそうとするため、商談化の可能性が低い案件でも設定してしまうことがあります。
一方でフィールドセールスは受注率を重視するため、質の低いアポイントに対して不満を持つようになります。
結果として、
「とにかく数を取ってくるだけ」
「商談に来てもらっても売れない」
という対立構造が生まれてしまいます。
本来は営業組織全体で成果を出すことが目的ですが、評価制度によって部門ごとの最適化が進み、連携が崩れてしまうのです。
「良いアポイント」の定義が違う
インサイドセールスとフィールドセールスでは、良いアポイントの基準が異なることがあります。
例えばインサイドセールスは、
・担当者と話せた
・課題がありそうだった
・商談を了承してもらえた
という状態でアポイントを設定します。
しかしフィールドセールスは、
・決裁者が参加する
・導入時期が明確
・予算感がある
・競合比較が進んでいる
といった条件を求める場合があります。
つまり、両者が見ているゴールが違うのです。
この認識のズレが大きくなるほど、「質が悪い」「いや十分に条件は満たしている」という議論が発生します。
営業現場では意外とこの定義が言語化されておらず、感覚的な運用になっているケースも少なくありません。
顧客情報の共有が不足している
引継ぎ情報の不足も大きな問題です。
例えば、
・なぜ興味を持ったのか
・現在の課題は何か
・競合利用状況
・導入予定時期
・参加予定者
などの情報が共有されていないと、フィールドセールスは商談で一からヒアリングしなければなりません。
顧客からすると、
「それは電話で話しましたよね?」
という状況になり、体験価値が低下します。
また、フィールドセールス側もインサイドセールスの活動内容が見えないため、適切な評価ができなくなります。
情報共有の仕組みが整っていない組織ほど、この問題は発生しやすくなります。
商談結果のフィードバックがない
逆方向の情報共有不足もよく見られます。
インサイドセールスはアポイントを設定した後、その案件がどうなったのか分からないままになっているケースがあります。
例えば、
・受注した
・失注した
・検討時期が先だった
・競合に負けた
といった結果が共有されなければ、アポイントの質を改善することはできません。
インサイドセールスからすると、
「どんな案件が良い案件だったのか分からない」
状態になります。
これでは経験が蓄積されず、同じような案件を繰り返し送客することになります。
営業組織として成長するためには、商談結果を継続的にフィードバックする仕組みが欠かせません。
部門間で責任の押し付けが起こる
最終的に組織が最も危険な状態になるのが、責任の押し付け合いです。
受注が伸びない場合、
インサイドセールスは
「アポイントは十分取っている」
フィールドセールスは
「質が悪いから売れない」
と考えます。
すると営業会議が改善の場ではなく、犯人探しの場になってしまいます。
この状態になると、顧客を見るのではなく社内を見る組織になります。
本来であれば、
・なぜ商談化しないのか
・なぜ案件化しないのか
・なぜ受注できないのか
を両者で分析しなければなりません。
しかし信頼関係が失われると、情報共有や改善活動も機能しなくなります。
結果として営業成果はさらに悪化していくのです。
分断の原因は「仕組み不足」であることが多い
ISとFSの対立は、個人の能力や性格が原因だと思われがちです。
しかし実際には、
・評価制度
・情報共有ルール
・KPI設計
・フィードバック体制
といった組織の仕組みに問題があるケースがほとんどです。
つまり、現場の担当者を責めるのではなく、営業プロセス全体を見直すことが重要です。
次章では、実際にISとFSの分断が発生している営業組織にはどのような兆候が現れるのか、具体例を交えながら解説していきます。
分断が起きている営業組織に見られる兆候
インサイドセールス(IS)とフィールドセールス(FS)の連携がうまくいかなくなると、営業成果の低下だけでなく、組織全体の雰囲気にも悪影響を及ぼします。
しかし、実際には分断が進んでいても、その状態を正しく認識できていない企業も少なくありません。
「受注が伸びないのは市場環境のせい」「営業担当者のスキル不足だろう」と考えているうちに、組織内の問題が深刻化してしまうケースもあります。
そこで重要なのが、営業組織に現れるサインを早い段階で把握することです。
ここでは、ISとFSの分断が発生している組織によく見られる代表的な兆候を紹介します。
フィールドセールスが「質の低いアポが多い」と不満を持っている
最も分かりやすい兆候の一つが、フィールドセールスからの不満です。
例えば、
・話を聞くだけだった
・導入予定が全くない
・決裁者が参加しない
・競合比較の段階ですらない
といった商談が続くと、フィールドセールスはインサイドセールスへの不信感を抱くようになります。
もちろん、すべてのアポイントが受注につながるわけではありません。
しかし、「また同じような案件か」という声が頻繁に出るようであれば注意が必要です。
この状態になるとフィールドセールスはアポイントを歓迎しなくなり、商談へのモチベーションも低下します。
結果として、本来であれば受注できた可能性のある案件まで取りこぼしてしまうことがあります。
インサイドセールスが「せっかく取ったのに」と感じている
一方で、インサイドセールス側にも不満が蓄積します。
よくあるのが、
「頑張ってアポイントを取ったのに受注できなかった」
「商談後の結果を教えてもらえない」
「全部こちらの責任にされる」
という状況です。
インサイドセールスは毎日多くの架電やメール対応を行いながら商談機会を創出しています。
その努力が正当に評価されないと感じると、徐々にモチベーションが低下していきます。
特に商談結果の共有がない組織では、自分たちの仕事が成果にどう結び付いているのかが見えません。
すると、
「とりあえずアポイントだけ取ればいい」
という考え方になりやすく、結果としてさらに質が低下する悪循環が生まれます。
商談化率や案件化率が低下している
数字面にも分断の兆候は表れます。
例えば、
・アポイント数は増えている
・商談件数もある程度確保できている
にもかかわらず、
・案件化率が低い
・提案率が低い
・受注率が低い
という状態です。
これは営業プロセスのどこかに問題があることを示しています。
特にアポイント数だけを追いかけている組織では、この現象がよく起こります。
表面的には活動量が増えているため順調に見えますが、実際には成果につながる顧客が十分に選別されていないのです。
営業管理者はアポイント数だけでなく、その後の商談化率や受注率まで確認する必要があります。
CRMやSFAの入力が形骸化している
情報共有ツールが活用されなくなるのも危険なサインです。
例えば、
・商談メモが入力されない
・顧客情報が更新されない
・引継ぎ内容が曖昧
・担当者ごとに記録方法が違う
といった状態です。
CRMやSFAは本来、部門間の情報共有を円滑にするための仕組みです。
しかし連携が崩れている組織では、
「どうせ見られていない」
「入力しても意味がない」
という意識が広がり、運用が形骸化してしまいます。
その結果、さらに情報共有が不足し、組織の分断が加速します。
ツールの問題ではなく、運用ルールや文化の問題であるケースがほとんどです。
営業会議が改善ではなく犯人探しになっている
最も深刻な兆候がこれです。
営業会議で、
「アポイントの質が悪い」
「クロージングが弱い」
「フォローが足りない」
など、部門同士の批判が中心になっている場合は注意が必要です。
本来、営業会議は成果を向上させるための場です。
しかし分断が進んだ組織では、
・誰が悪いのか
・どの部門の責任か
という議論が中心になります。
こうなると顧客視点が失われ、社内の評価ばかり気にする組織になってしまいます。
改善活動も進まず、営業成果はさらに悪化していくでしょう。
早めに兆候へ気付くことが重要
ISとFSの分断は、ある日突然発生するものではありません。
小さな不満や情報共有不足が積み重なり、徐々に組織全体へ広がっていきます。
そのため、
・アポイントの質への不満
・商談結果の共有不足
・数字の悪化
・会議での対立
といった兆候が見え始めた段階で対策を講じることが重要です。
分断が深刻化する前に仕組みを見直せば、多くの場合は改善できます。
次章では、実際にISとFSの連携を強化するために企業が取り組むべき具体的な改善策について詳しく解説します。
ISとFSの連携を改善するための7つの方法
インサイドセールス(IS)とフィールドセールス(FS)の分断は、多くの営業組織が抱える課題です。しかし、その多くは担当者個人の問題ではなく、営業組織の仕組みや運用方法によって引き起こされています。
そのため、適切な改善策を講じることで連携を強化し、営業成果を大きく向上させることが可能です。
ここでは、実際に成果を上げている企業が取り組んでいる7つの改善方法を紹介します。
共通KPIを設定する
まず重要なのが、部門ごとではなく営業全体で共通の目標を持つことです。
例えば、
・ISはアポイント数
・FSは受注件数
だけで評価されていると、どうしても部門最適が発生します。
そこで、
・商談化率
・案件化率
・受注率
・受注金額
など、両者が共通して追う指標を設定することが有効です。
インサイドセールスも受注まで意識し、フィールドセールスもアポイント創出の重要性を理解するようになります。
共通のゴールを持つことが、連携改善の第一歩です。
「良いアポイント」の定義を明確にする
多くの企業では、良いアポイントの基準が曖昧なまま運用されています。
その結果、
「条件は満たしている」
「いや、全然足りない」
という認識のズレが生じます。
そこで、
・決裁者参加必須
・導入時期6か月以内
・現状課題が明確
・競合利用状況を確認済み
など、商談化条件を具体的に言語化します。
定義が明確になれば、インサイドセールスは何を確認すべきか理解できますし、フィールドセールスも評価基準に納得しやすくなります。
感覚ではなくルールで運用することが重要です。
商談結果を必ずフィードバックする
営業組織では、アポイントを渡した後の情報共有が不足しがちです。
しかし、本当に重要なのはその後の結果です。
例えば、
・受注した理由
・失注した理由
・顧客が抱えていた課題
・競合との比較結果
などを共有することで、インサイドセールスは次回以降のアプローチを改善できます。
逆にフィードバックがないと、
「どんな案件が良かったのか」
が分からず、経験が蓄積されません。
商談後の共有を仕組み化することで、営業組織全体の学習速度を高めることができます。
CRM・SFAで情報を一元管理する
営業担当者同士の情報共有を個人任せにしてはいけません。
口頭やチャットだけの共有では、どうしても情報漏れが発生します。
そのため、
・顧客情報
・ヒアリング内容
・商談結果
・次回アクション
などをCRMやSFAへ集約することが重要です。
情報が一元化されれば、誰が見ても顧客状況を把握できるようになります。
また、担当者変更が発生しても引継ぎがスムーズになります。
ツールを導入するだけでなく、入力ルールまで統一することがポイントです。
定例ミーティングを実施する
連携がうまくいく組織は、部門間の対話量が多い傾向があります。
おすすめなのは、週1回程度の定例ミーティングです。
例えば、
・今週の受注案件
・失注理由
・質の高かったアポイント
・課題となった案件
などを共有します。
この場では責任追及ではなく、改善策を考えることが重要です。
お互いの業務内容や苦労を理解できるため、自然と信頼関係も生まれます。
営業組織においてコミュニケーション不足は大きなリスクです。
定期的な情報交換の場を作りましょう。
トークスクリプトを共同で改善する
インサイドセールスのスクリプトをISだけで作っている企業も少なくありません。
しかし実際には、受注に近い顧客を最も理解しているのはフィールドセールスです。
そのため、
・どのような課題を持つ企業が受注しやすいか
・どんな質問をすると案件化しやすいか
・どの業界が成約率が高いか
などをフィールドセールスから吸い上げるべきです。
受注データを基にスクリプトを改善することで、アポイントの質を高めることができます。
現場の感覚ではなく、成果データに基づいて改善を行うことが重要です。
引継ぎフォーマットを統一する
営業組織では、引継ぎ品質のバラつきも大きな課題です。
担当者によって共有内容が異なると、フィールドセールスは必要な情報を得られません。
そこで、
・企業情報
・課題
・導入背景
・競合状況
・参加予定者
・導入時期
など、必須項目を統一したフォーマットで管理します。
これにより情報の抜け漏れが減り、商談準備の質も向上します。
属人的な運用から脱却するためには、誰が担当しても同じ品質で引継げる仕組みが必要です。
連携改善は営業成果に直結する
ISとFSの連携改善は、単なる社内コミュニケーションの問題ではありません。
実際には、
・商談化率向上
・案件化率向上
・受注率向上
・営業生産性向上
に直結する重要なテーマです。
成果を出している企業ほど、営業プロセス全体を一つのチームとして捉えています。
「アポイントを取る人」と「受注する人」ではなく、「顧客を受注へ導くチーム」という考え方が重要です。
次章では、実際に成果を出している企業がどのようなKPI設計を行っているのか、具体的な指標とともに解説していきます。
成果を出す企業が実践しているKPI設計
インサイドセールス(IS)とフィールドセールス(FS)の連携を強化するうえで欠かせないのが、適切なKPI設計です。
実際、多くの営業組織では「担当者の能力不足」よりも、「評価指標の設計ミス」が原因で連携が崩れています。
アポイント数だけを追いかけるインサイドセールスと、受注件数だけを追いかけるフィールドセールスでは、どうしても見ている方向が異なります。
その結果、
・質より量を重視する
・他部門への不満が増える
・顧客視点が失われる
といった問題が発生します。
成果を出している企業は、営業プロセス全体を最適化するためのKPI設計を行っています。
ここでは、よくある失敗例と成功企業の考え方を紹介します。
よくある失敗例① アポイント数だけを評価している
インサイドセールスのKPIとして最も多いのがアポイント件数です。
もちろん商談機会を創出することは重要ですが、アポイント数だけを評価すると大きな問題が生じます。
例えば月間20件が目標の場合、
・興味が薄い企業
・導入予定がない企業
・情報収集段階の企業
でもアポイントを設定したくなります。
数字だけを見れば達成ですが、フィールドセールスの成果にはつながりません。
結果として、
「数だけ取ってくる」
という不満が発生します。
営業活動の本来の目的はアポイント獲得ではなく受注です。
アポイント数はあくまで途中指標であることを忘れてはいけません。
よくある失敗例② 受注件数だけを評価している
逆にフィールドセールス側にも落とし穴があります。
受注件数だけで評価している場合、
・難しい案件を避ける
・受注しやすい案件ばかり選ぶ
・アポイントへの協力が減る
という状況が起こりやすくなります。
また、
「質の高い案件だけ欲しい」
という考え方になり、インサイドセールスとの対立も生まれやすくなります。
営業活動は一人では成立しません。
そのため、受注だけを見るのではなく、営業プロセス全体への貢献も評価対象にする必要があります。
成果を出す企業はプロセス指標を重視している
営業成果は受注という結果だけで決まるものではありません。
受注に至るまでには、
・架電
・接触
・アポイント
・商談
・案件化
・提案
・受注
という複数のステップがあります。
成果を出している企業は、この各工程を細かく管理しています。
例えば、
・接触率
・アポイント率
・商談化率
・案件化率
・提案率
・受注率
などです。
こうしたプロセス指標を見ることで、どこに課題があるのかを正確に把握できます。
単純な件数管理だけでは見えない問題を発見できるのです。
ISが追うべきKPIとは
インサイドセールスはアポイント数だけでなく、その後の成果まで意識する必要があります。
具体的には、
・接触率
・アポイント率
・有効商談率
・案件化率
などが重要です。
例えば、
アポイント20件獲得
↓
有効商談18件
↓
案件化12件
であれば質の高い活動と言えます。
逆に、
アポイント20件
↓
有効商談5件
であれば改善が必要です。
単純な件数ではなく、商談の質を測定することが重要です。
FSが追うべきKPIとは
フィールドセールスは受注件数だけでなく、商談プロセスも確認する必要があります。
例えば、
・商談化率
・案件化率
・提案率
・受注率
・平均受注単価
などです。
仮にアポイントの質が良くても、提案力やクロージング力に課題があれば受注にはつながりません。
そのため、
「受注できない原因は何か」
を客観的に分析できる指標設計が必要です。
数字を細分化することで、感覚的な議論を防ぐことができます。
部門最適ではなく全体最適を目指す
KPI設計で最も重要なのは、営業組織全体で成果を最大化する視点です。
例えば、
ISはアポイント数達成
FSは受注目標未達
という状況では意味がありません。
逆に、
アポイント数は少なくても
案件化率が高い
受注率が高い
のであれば組織全体としては成功です。
成果を出している企業ほど、
・受注数
・受注金額
・案件化率
・顧客獲得単価
などを共通指標として管理しています。
これにより、部門同士が同じ方向を向いて活動できるようになります。
KPIは「競争」ではなく「改善」のために使う
KPIを導入すると、
「誰が良い成績か」
ばかりに目が向きがちです。
しかし、本来の目的は組織改善です。
例えば、
・どの業界が受注しやすいか
・どんな課題を持つ企業が商談化しやすいか
・どのタイミングで失注しているか
などを把握し、営業活動を改善するために使うべきです。
数字を責任追及のために使うのではなく、成果向上のために活用することが重要です。
次章では、こうしたKPI管理や情報共有を効率化するために欠かせないCRM・SFAの活用方法について詳しく解説します。
CRM・SFAを活用して営業連携を仕組み化する方法
インサイドセールス(IS)とフィールドセールス(FS)の連携を強化するうえで、CRMやSFAの活用は欠かせません。
実際、多くの企業では営業担当者同士のコミュニケーション不足が問題視されますが、本質的な課題は「情報共有の仕組みがないこと」にあります。
どれだけ優秀な営業担当者がいても、
・顧客情報が共有されない
・商談結果が見えない
・引継ぎ内容が担当者ごとに違う
という状態では、組織として成果を出し続けることは難しいでしょう。
そこで重要になるのがCRMやSFAです。
これらを適切に活用することで、営業活動を属人化から脱却させ、組織全体で成果を最大化できるようになります。
CRMとSFAの違いを理解する
まずはCRMとSFAの違いを整理しておきましょう。
CRM(Customer Relationship Management)は顧客関係管理を目的としたツールです。
顧客情報や過去の接触履歴を管理し、長期的な関係構築を支援します。
一方でSFA(Sales Force Automation)は営業活動を管理するためのツールです。
商談状況や案件進捗、営業担当者の活動内容などを可視化できます。
実際には両方の機能を備えたサービスも多く、
・Salesforce
・HubSpot
・Mazrica
・kintone
などが代表的です。
重要なのはツールの名前ではなく、「営業情報を一元管理できる環境」を構築することです。
顧客情報を全員が見られる状態にする
営業組織でよくある問題が、顧客情報が個人の頭の中にしか存在していないことです。
例えば、
・過去のやり取り
・現在の課題
・導入検討状況
・競合情報
などが担当者しか把握していないケースがあります。
その状態では担当者が休んだり退職したりすると、顧客対応が止まってしまいます。
CRMを活用すれば、
・誰が見ても
・いつでも
・同じ情報を確認できる
状態を作ることが可能です。
営業組織において情報は個人の資産ではなく、会社の資産として管理すべきです。
引継ぎ品質を均一化できる
ISからFSへの引継ぎ品質に差がある企業は少なくありません。
担当者によって、
「非常に詳しく共有する人」
「最低限しか共有しない人」
が存在します。
結果として、商談品質にもバラつきが生まれます。
そこでCRMやSFA上に統一フォーマットを作成します。
例えば、
・顧客課題
・導入背景
・導入時期
・決裁者情報
・競合利用状況
・商談時の注意点
などを必須入力項目として設定します。
これにより担当者ごとの差が小さくなり、安定した引継ぎが実現できます。
属人的な運用を減らせることは大きなメリットです。
商談結果を組織全体で共有できる
分断が起きている営業組織では、商談結果がインサイドセールスへ戻ってきません。
しかし実際には、
・なぜ受注したのか
・なぜ失注したのか
・どの課題が刺さったのか
という情報こそが営業改善の材料になります。
SFA上で商談結果を管理すれば、
インサイドセールスは
「どんな顧客が受注しやすいのか」
を学習できます。
フィールドセールスも
「どのような案件を優先すべきか」
を判断しやすくなります。
情報が蓄積されるほど営業組織全体の精度は向上していきます。
KPI管理が容易になる
前章で紹介したKPI設計も、ツールがなければ継続的な運用は難しくなります。
例えば、
・接触率
・アポイント率
・商談化率
・案件化率
・受注率
を手作業で集計すると大きな負担になります。
しかしCRMやSFAを活用すれば、自動でデータを蓄積できます。
数字が可視化されることで、
「どの工程に課題があるのか」
が明確になります。
感覚ではなくデータを基に改善できることは、営業組織にとって大きな価値があります。
AIによる営業分析も進化している
近年ではAI機能を搭載した営業支援ツールも増えています。
例えば、
・商談内容の自動文字起こし
・会話分析
・失注要因分析
・次回アクション提案
などが可能になっています。
従来はベテラン営業の経験や勘に頼っていた部分を、データとして分析できるようになってきました。
特に営業組織の規模が大きくなるほど、AIを活用した情報分析の効果は高まります。
今後は単なる情報管理だけでなく、営業改善を支援する仕組みとしての活用が進んでいくでしょう。
ツール導入だけでは成果は出ない
ここで注意したいのが、ツールを導入しただけでは問題は解決しないという点です。
実際には、
・入力ルールがない
・誰も見ていない
・情報が更新されない
という状態になっている企業も少なくありません。
重要なのは、
「どの情報を」
「誰が」
「いつ入力するのか」
を明確にすることです。
CRMやSFAはあくまで仕組みを支えるツールです。
運用ルールと組み合わせて初めて成果につながります。
次章では、社内で十分な営業体制を構築することが難しい企業に向けて、営業代行を活用してISとFSの連携課題を解決する方法について解説します。
営業リソース不足なら営業代行の活用も有効
インサイドセールス(IS)とフィールドセールス(FS)の連携が重要だと理解していても、実際には十分な体制を整えられない企業も少なくありません。
特に中小企業や成長フェーズの企業では、
・営業人材の採用が難しい
・教育に時間がかかる
・管理者が不足している
・営業ノウハウが蓄積されていない
といった課題を抱えています。
その結果、本来であれば分業した方が成果が出るにもかかわらず、一人の営業担当者が新規開拓から商談、クロージングまでを兼務しているケースも珍しくありません。
このような状況では営業活動が属人化しやすく、売上も担当者個人の能力に依存してしまいます。
そこで近年注目されているのが営業代行の活用です。
営業代行をうまく活用することで、社内リソース不足を補いながら営業活動の質を高めることが可能になります。
インサイドセールスだけを外注するケース
営業代行の活用方法として最も多いのが、インサイドセールス業務のみを外注するケースです。
例えば、
・新規開拓の架電
・問い合わせフォロー
・休眠顧客の掘り起こし
・アポイント獲得
などを営業代行会社へ依頼します。
社内の営業担当者は商談や提案活動に集中できるため、生産性向上が期待できます。
特にBtoB営業では、新規開拓に多くの時間がかかります。
優秀なフィールドセールスほど商談へ集中した方が成果を出しやすいため、アポイント創出を外部へ任せる考え方は合理的です。
また、営業代行会社は大量の架電ノウハウを持っているため、自社でゼロから体制を構築するよりも早く成果が出るケースもあります。
フィールドセールスだけを外注するケース
逆に商談や提案業務を営業代行へ委託するケースもあります。
例えば、
・製品知識が必要な商談
・地方エリアの営業活動
・新規事業の立ち上げ
などで活用されています。
社内にはマーケティングやインサイドセールス担当者がいるものの、商談人材が不足している企業に適した方法です。
特に新サービスの立ち上げ時は、専任営業を採用する前に市場反応を確認したいケースがあります。
営業代行を活用すれば、固定費を抑えながら営業活動をスタートできます。
市場性を確認してから内製化するという選択肢も可能になります。
ISとFSを一括で任せるケース
近年増えているのが、営業プロセス全体を営業代行会社へ委託するケースです。
例えば、
・ターゲットリスト作成
・架電
・アポイント獲得
・商談
・案件化
までを一貫して依頼します。
この方法のメリットは、ISとFSの連携課題を最初から解消できることです。
社内では、
「アポイントの質が悪い」
「商談結果が共有されない」
といった問題が発生しがちですが、一つの組織内で完結するため連携がスムーズになります。
また、営業代行会社は複数の案件を運用しているため、業界横断的な知見を持っています。
短期間で営業体制を構築したい企業にとって有効な選択肢と言えるでしょう。
営業代行会社を選ぶポイント
ただし、営業代行会社であればどこでも良いわけではありません。
選定時には以下のポイントを確認することが重要です。
・対応実績がある業界か
・担当者名取得や決裁者アプローチに強いか
・商談化率や受注率まで管理しているか
・レポート体制が整っているか
・改善提案を行ってくれるか
特に注意したいのが、アポイント件数だけを成果指標にしている会社です。
件数だけを追うと、自社で抱えているISとFSの分断と同じ問題が発生する可能性があります。
そのため、
・有効商談率
・案件化率
・受注率
まで追っている会社を選ぶことが重要です。
営業代行は「丸投げ」ではなく「パートナー」
営業代行を利用する際に注意したいのが、すべて任せれば成果が出るという考え方です。
実際には、
・ターゲット選定
・提案内容
・成功事例共有
・商談結果共有
など、自社と営業代行会社の連携が不可欠です。
成果を出している企業ほど、営業代行会社を外注先ではなく営業パートナーとして位置付けています。
定例会議を実施しながら、
・どの業界が反応しているか
・どんな課題を持つ企業が受注しやすいか
・スクリプトをどう改善するか
を継続的に検討しています。
この姿勢が成果の差につながります。
営業体制の最適化が競争力につながる
営業人材の採用難が続く現在、すべてを内製で賄うことが難しい企業も増えています。
だからこそ、
・内製化すべき業務
・外注すべき業務
を見極めることが重要です。
営業代行は単なる人手不足対策ではありません。
営業組織全体の生産性を高めるための選択肢の一つです。
自社だけでISとFSの連携体制を構築することが難しい場合は、営業代行を活用することで早期に成果を上げられる可能性があります。
最後に、分業型営業で成果を出し続けるために最も重要な考え方についてまとめていきます。
分業型営業は「分業」ではなく「共業」が重要
ここまで、インサイドセールス(IS)とフィールドセールス(FS)の役割や、分断が起きる原因、改善方法について解説してきました。
多くの企業が営業効率を高めるために分業型営業を導入していますが、成果が出る企業とそうでない企業の差はどこにあるのでしょうか。
その答えは、「分業」という考え方そのものにあります。
成果が出ない組織は、営業活動を単なる役割分担として捉えています。
一方で成果を出している組織は、分業ではなく「共業」として営業活動を設計しています。
つまり、役割は分かれていても、目指すゴールは一つであるという考え方です。
分業型営業を成功させるためには、この考え方が欠かせません。
成果が出る組織は営業プロセス全体を見ている
営業活動は、
・リード獲得
・アポイント獲得
・商談
・提案
・受注
という複数の工程で成り立っています。
しかし、成果が出ない組織では、
「アポイントを取るのがISの仕事」
「受注するのがFSの仕事」
と工程ごとに切り分けて考えてしまいます。
その結果、
・アポイント数だけを追う
・受注数だけを追う
という部門最適が発生します。
一方で成果を出している企業は、
「顧客を受注まで導く」
という一つのプロセスとして捉えています。
インサイドセールスも受注を意識し、フィールドセールスもアポイント創出の重要性を理解しています。
この視点の違いが営業成果の差につながるのです。
部門間の信頼関係が成果を左右する
営業活動は人と人の連携によって成り立っています。
どれだけ優れたCRMやSFAを導入しても、信頼関係がなければ機能しません。
例えば、
フィールドセールスが
「また質の低いアポイントか」
と考えていたり、
インサイドセールスが
「どうせ結果を教えてくれない」
と思っていたりすれば、情報共有は進まないでしょう。
逆に、
・良い商談はお互いに評価する
・失敗事例も共有する
・改善案を一緒に考える
という文化がある組織は強くなります。
営業成果は個人の能力だけではなく、組織全体の協力体制によって大きく左右されるのです。
顧客視点を失わないことが重要
分断が進んでいる組織には共通点があります。
それは社内ばかり見ていることです。
例えば、
・誰の責任なのか
・どの部門が悪いのか
・目標未達の原因は何か
といった議論ばかりになります。
しかし顧客から見れば、ISもFSも同じ会社の営業担当です。
顧客は社内の役割分担には興味がありません。
求めているのは、
・課題を理解してくれること
・適切な提案をしてくれること
・スムーズに対応してくれること
です。
つまり営業組織は常に顧客視点で考える必要があります。
顧客にとって価値のある体験を提供できているかどうかを基準に判断することが重要です。
改善活動を継続できる組織が強い
営業環境は常に変化しています。
競合の増加や市場変化、顧客ニーズの変化によって、昨日まで成果が出ていた方法が通用しなくなることもあります。
そのため、営業組織には継続的な改善が必要です。
成果を出している企業では、
・商談結果分析
・失注分析
・スクリプト改善
・ターゲット見直し
・KPI分析
を定期的に実施しています。
重要なのは完璧な仕組みを作ることではありません。
改善を続けられる仕組みを作ることです。
ISとFSが連携しながらPDCAを回している組織ほど、高い成果を維持しやすくなります。
営業活動はチームスポーツに近い
営業は個人競技のように見えることがあります。
しかし実際にはチームスポーツに近い側面があります。
例えばサッカーで考えると、
・パスを出す人
・チャンスを作る人
・ゴールを決める人
がいます。
ゴールを決めた選手だけが評価されるわけではありません。
そこに至るまでのすべてのプレーが重要です。
営業も同じです。
アポイントを獲得するインサイドセールスがいて、商談を進めるフィールドセールスがいて、初めて受注という結果につながります。
どちらが上でも下でもありません。
それぞれが役割を果たしながら、一つの目標に向かって進むことが重要です。
まとめ
分業型営業は、単に業務を分担する仕組みではありません。
成果を出すためには、
・共通KPIを持つ
・情報共有を徹底する
・商談結果をフィードバックする
・CRMやSFAを活用する
・継続的に改善する
といった取り組みが必要です。
そして何より大切なのは、インサイドセールスとフィールドセールスが同じ方向を向くことです。
分業型営業で成果を出している企業は、「分業」ではなく「共業」という考え方を実践しています。
営業活動を一つのチームとして設計し、顧客に価値を提供し続けることが、持続的な成長につながるのです。
※営業代行会社に関するご案内はこちらです。
ぜひ、ご覧下さい。