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精度の高いターゲットリストの作り方|2025年版・5+3のポイント&業界別の実践例

2025年11月19日

精度の高いターゲットリストの作り方|2025年版・5+3のポイント&業界別の実践例

営業成果の80%は「ターゲットリストの精度」で決まると言われます。
どれだけトークが上手くても、そもそも“狙う相手がズレている”だけでアポイント率・商談化率は大きく下がってしまいます。

特に2025年は、以下の理由から「リスト精度」が営業成果のカギになります。

  • ●情報量の増加で購買行動が複雑化
  • ●電話に出る人が減り、接続率が低下
  • ●DM・広告・メール配信の競争が激化
  • ●法人側が“不要な営業”を即ブロックする時代に

この記事では、精度の高いターゲットリストを作るための5つの基本ポイント+最新の3つの拡張ポイントを“業界別の実践例”と合わせて詳しく解説します。


目次


1. なぜリスト精度が営業成果を左右するのか

営業活動において「リスト精度=成果の上限」です。
どれだけ優秀な営業でも、狙う対象がズレていると成果は伸びません。

質の低いリストがもたらす“負の連鎖”

  • ●架電しても担当者に繋がらない
  • ●決裁者にたどり着かない
  • ●そもそもターゲット外企業
  • ●同業や競合に架電してしまう

質が悪いリストは、「時間が無駄」→「架電数不足」→「アポ率低下」という悪循環を生むため、営業活動自体が崩壊します。

2025年の“リスト精度”の定義が変わってきた理由

従来は「企業名と電話番号があればOK」という時代でした。
しかし、以下の項目が揃っていないとリストとして弱くなります。

  • ●正しい部署(人事・総務・情報システムなど)
  • ●役職(責任者・決裁者)
  • ●直通番号 or 担当名
  • ●企業規模や従業員数などの属性
  • ●過去の接触履歴
  • ●ホット/ウォーム/コールド状態

つまり、単なる企業リストではなく、「営業が意思決定者と話すためのリスト」へアップデートする必要があります。


2. 精度の高いターゲットリストを作成するための基本5ポイント

ここでは、リスト精度を高めるための「基本の5ポイント」を解説します。
多くの企業は、この段階でつまずいています。


① 電話を架ける前に“考えなくていい”構造を作る

営業は、架電中に「考える作業」が増えると一気に疲弊します。

考えずに架電できる=成果が出るリストと言い換えてもいいほどです。

■ 作るべき情報の例

  • ●企業URL
  • ●業種
  • ●従業員数
  • ●担当部署(人事/総務/システムなど)
  • ●役職名
  • ●過去の接触履歴
  • ●商材に合う課題候補(予測)

例えば人材業界であれば、初期段階で以下を入れておくと架電効率が爆上がりします。

■ 業界例:人材×テレアポの場合

  • ●採用人数(前年)
  • ●採用職種の傾向(営業/IT/工場)
  • ●外国人材の利用状況(特定技能・技人国)
  • ●過去の求人媒体利用履歴
  • ●採用課題の仮説(例:応募数不足/歩留まり低下)

こうした「仮説情報」がリストに入っているだけで、トークの精度は一気に上がります。


② ターゲットを“詳細に”特定する(部署/役職/直通)

リスト精度を高めるうえで、最も大きなポイントは

企業名 × 部署 × 役職 × 担当者名 × 直通

この5つです。

■ なぜ部署&役職の特定が重要なのか?

営業の成果は「誰に話すか」で7割決まると言われます。

例えば──

  • ●採用サービス → 決裁者は“人事責任者”
  • ●ITツール → 現場の“情報システム”と“部長”
  • ●コスト削減 → “総務部長”がキーマン

ターゲット部署がズレるだけで、成果は半減します。

■ 業界例:製造業に営業する場合の部署特定

  • ●現場の課題 → 工場長・製造部長
  • ●IT化の話 → 情報システム
  • ●採用の話 → 人事総務

部署ごとに全く刺さるポイントが違うため、「部署の特定」は最優先です。


③ コンテクト履歴を残せる構造にする

架電は1回で完結するものではありません。
多くの企業と接触するには“複数回接点を取る前提の管理”が必要です。

■ 必須の履歴例

  • ●接触日
  • ●接触回数
  • ●状況(受付NG/担当者不在/折返し予定)
  • ●担当者の反応(興味あり/保留/完全NG)
  • ●次回フォロー日

この履歴がないと、“ただ架電して終わり”になり、成果が積み上がりません。

■ 人材業界での履歴例

  • ●採用計画の変更時期
  • ●広告出稿状況
  • ●過去に外国人材を利用したか
  • ●繁忙期かどうか

履歴が残っているリストほど“資産”として強くなります。


④ セグメント別に詳細なリストを作る

セグメント=成果の分岐点です。

セグメントの例:

  • ●企業規模(〜50名/50〜300名/300名〜)
  • ●業界(製造/IT/人材/介護など)
  • ●エリア(東京/関西/地方)
  • ●採用有無/DX状況/工場保有の有無
  • ●ホット/ウォーム/コールド

■ なぜセグメントが重要なのか?

理由は2つ。

  • ●刺さるトークが違う
  • ●架電効率が倍違う

例えば、製造業にDXツールを売る場合:

■ 業界例:製造 × DXツールのセグメント例

  • ●工場保有企業 → 現場改善の話が刺さる
  • ●工場を持たない製造企業 → 生産管理や営業管理の話が刺さる
  • ●多拠点企業 → データ統合の話が刺さる

セグメントが違えば、担当者の悩みも変わる。
つまり、リストの構造がトークを決めるのです。


⑤ 結果が“すぐ見える”集計・分析できる仕組みを作る

精度の高いリストは、“使うほど改善される”構造を持っています。

そのためには以下の仕組みが必須です。

  • ●接続率
  • ●担当者接続率
  • ●決裁者接続率
  • ●アポ率
  • ●NG理由の分類

これをリストごとに集計すると、リストの「勝ち筋」と「捨てるべき層」の判断ができるようになります。

■ 業界例:ITツール(SaaS)の分析例

  • ●接続率が高いのは「50〜300名」企業
  • ●決裁者接続率が高いのは「単拠点企業」
  • ●アポ率が高いのは「営業支援に関心の高い業界(不動産・人材)」

こうしたデータが取れると、リスト精度が指数関数的に改善します。


3. +α:リスト精度をさらに高める3つの拡張ポイント

ここからは、“さらに精度を上げたい企業向け”の+αの3つの拡張ポイントを解説します。

これらは最も重要になるポイントで、リストによる営業成果の差が最も大きく出る部分です。


⑥ 情報鮮度と更新頻度を設計する

“情報鮮度”がリスト成果を左右します。

なぜなら、情報の変化速度がこれまでより速いからです。

  • ●部署変更
  • ●役職変更
  • ●組織再編(統合・子会社化)
  • ●リモートワークの影響による直通番号の変更
  • ●採用時期の変動

これらが頻繁に起こるため、“古いリスト”=反応が取れないリストになります。

■ 情報鮮度の基準

  • ●従業員数 → 半年更新
  • ●担当部署 → 四半期更新
  • ●担当者名 → 月次〜四半期更新
  • ●採用状況(人材向け) → 月次更新が理想
  • ●DX状況(IT向け) → 半年更新
  • ●工場の新設・撤退(製造向け) → 年1回更新

更新頻度を設計しておくことで、“鮮度の高いリスト”が常に維持できます。

■ 業界例:人材業界(採用系サービス)

採用ニーズは「季節性」が非常に強いため、リスト更新が遅いと成果が大きく下がります。

  • ●4月入社 → 1〜2月は採用ピーク
  • ●9月入社 → 6〜7月は採用ピーク
  • ●介護・工場系 → 通年採用だが“欠員補充のタイミング”が読める

採用系は、“最新の採用状況さえ分かれば、アポ率が跳ね上がる”ため、鮮度を最優先に管理します。


⑦ ニーズ・課題アラートを紐づけてリスト化する

2025年のターゲットリストは、単なる“企業情報の羅列”ではなく、「課題アラート」まで含んだリストが最強です。

■ 課題アラートとは?

“営業すべきタイミングを知らせる情報” のこと。

  • ●採用ページが更新された(人材)
  • ●新規店舗オープン(人材・IT)
  • ●システム入れ替えの公告(IT)
  • ●生産ライン増設(製造)
  • ●補助金活用(製造・飲食)
  • ●倒産情報・業績悪化の兆候

こうしたトリガーをリストに紐付けるだけで、“温度の高い企業”から優先接触できます。

■ 業界例:SaaS・ITツールの場合

  • ●求人情報で「DX推進」を募集している企業 → 高確率で刺さる
  • ●公式サイトに「システム入れ替え中」の記載 → 即アタック
  • ●新店舗オープン → システム導入の需要が高まる

ITツールは特に課題アラートとの相性が抜群です。


⑧ リード予備群(WARM/COLD)の状態を可視化する

高精度リストは、HOT企業だけでできているわけではありません。

本当に強いリストは、次の3つで構成されます。

  • ●HOT:今すぐ検討したい企業
  • ●WARM:半年以内に検討の可能性がある企業
  • ●COLD:まだニーズが顕在化していない企業

この3つをリスト上で可視化しておくと、営業活動の“精度と効率”が飛躍的に上がります。

■ WARM/COLDの判断基準の例

  • 採用強化の時期が近い(人材)
  • システムの利用期限が近い(SaaS)
  • 設備投資のタイミング(製造)
  • 新規事業を開始している(全業界)

これらを紐づけておくことで、“未来のHOT”が事前に分かるようになります。

■ 業界例:介護業界(人材/SaaS/研修サービス)

  • 介護施設の立ち上げ時期 → HOT
  • 人員配置基準の変更時期 → WARM
  • 補助金の申請開始 → HOT
  • スタッフ離職率が高いエリア → WARM

介護業界は“行政情報”が強いアラートになるのが特徴です。


4. リスト構築〜運用までのステップ(実践ロードマップ)

ここでは、「どうやってリストを作り、どう運用すれば強いリストになるのか」のステップを実務レベルで解説します。


ステップ1:理想顧客モデル(ICP)を定義する

ICP(Ideal Customer Profile)は必須です。これが曖昧な企業ほど、リスト精度が低くなります。

  • 企業規模(従業員数・売上)
  • 業界
  • エリア
  • 抱えている課題
  • 決裁者の役職

例えば人材領域では、“採用に困っている”だけでは不十分。

深堀りするとこうなります:

■ 業界例:人材サービス(アポ率が高いICP)

  • 従業員数50〜300名(採用ニーズが分かりやすい)
  • 非製造系より「製造/介護/物流」はニーズ大
  • 地方支店が多い企業(拠点強化のため採用ニーズが増える)
  • 離職率が高い業界(歩留まり改善の需要あり)

ICPが明確だと、リストの質は一気に跳ね上がります。


ステップ2:データ収集源を洗い出す

強いリストは、1つのデータソースだけでは作れません。

■ データ収集ソース例(2025年版)

  • 企業データベース(法人番号・帝国・LAPRASなど)
  • 求人サイト(採用状況が分かる)
  • 会社HP/プレスリリース(最新情報)
  • SNS(LinkedIn・X)
  • 営業フォーム送信結果
  • MAツールのデータ(再訪・開封)
  • DM/イベント参加者リスト

複数の情報を組み合わせるほど“企業の温度感”が見えてきます。


ステップ3:データ整備とクレンジング

粗いデータをそのまま使う企業が多いですが、クレンジングこそが成果の分岐点です。

■ クレンジングの具体例

  • 重複削除
  • 不要企業の除外(同業・グループ会社など)
  • 架電対象外のフラグ付け
  • エリア/規模の補完
  • 表記揺れの統一

ここを丁寧に行うほど、リストの質が倍になります。


ステップ4:役職・部署・属性でフィルタリング&スコアリング

最終的に、営業成果を最大化するのはフィルタリング → スコアリング の工程です。

■ スコアリング例

  • 決裁者名が分かる:+3
  • 部署が特定されている:+2
  • 直通番号:+5
  • 採用ニーズが高い:+4
  • 課題アラートが出ている:+6

こうした点数化を行うと、“攻めるべき企業”が自動で浮かびます。


ステップ5:実際に運用し、毎週〜毎月改善する

リストは“作って終わり”ではありません。

運用 → 分析 → 改善のサイクルを回すことで、強いリストに進化していきます。

■ 改善サイクル例(人材/採用サービスの場合)

  • 毎週:接続率・担当者接続率の分析
  • 毎月:採用ニーズ&繁忙期の更新
  • 四半期:担当者・役職・部署の更新
  • 半年:企業情報(従業員数・拠点)の更新

5. よくあるミスと回避策

多くの企業がリスト運用でつまずくポイントは、実はパターン化されています。
ここでは最も多い“4つのミス”と“回避策”を整理します。


■ ミス1:「件数ばかり追って質を無視」

件数=成果ではありません。
むしろ、件数だけ増やすと成果は悪化します。

回避策:
「決裁者接続率 × アポ率」でリストの質を判断する。


■ ミス2:「担当者名・部署が特定されていないまま架電」

部署不明の架電は、接続率が著しく低下します。

回避策:
架電前に必ず“担当部署・役職”を特定する。


■ ミス3:「クレンジング・更新が滞って古いリスト化」

3ヶ月放置したリストは精度が大きく落ちます。

回避策:
更新頻度(週・月・四半期)を決めてメンテする。


■ ミス4:「結果を“ざっくり”見るだけで改善されない」

「なんとなく良さそう」「なんとなく悪い」では改善できません。

回避策:
接続率・アポ率などのKPIを“リスト単位”で管理する。


6. KPI設計&チェックリスト|“成果が出るリスト”とは何か

ターゲットリストの精度は、明確なKPI(指標)で管理することで改善速度が一気に上がります。

■ リスト運用で管理すべき主要KPI

  • ●接続率(=電話がつながる割合)
  • ●担当者接続率(=担当部署に繋がる割合)
  • ●決裁者接続率
  • ●アポ率
  • ●NG理由の傾向

このKPIは、「リストの質」と「架電クオリティ」のどちらも見えるため、改善の基点として非常に優秀です。


■ KPIの基準値(BtoB 新規開拓の平均値)

業界により差がありますが、平均は以下の通りです。

  • 接続率:20〜35%
  • 担当者接続率:10〜20%
  • 決裁者接続率:3〜7%
  • アポ率:1〜3%

ただし、
リスト精度が高い企業は、アポ率5〜10%超えも普通に起こります。


■ 業界別の“勝ちやすい”リスト指標例

弊社の支援経験を踏まえ、リスト相性の良い指標を業界別に整理します。

▼ 人材系(採用代行/応募課金/RPO)

  • 採用ニーズがある企業を優先(求人更新/職種増)
  • 従業員数50〜300名が最も高反応
  • 季節性(繁忙期)が分かるとアポ率UP
  • “外国人材の利用有無”を入れると精度向上

▼ IT・SaaS(DXツール/管理システム)

  • システム入れ替え時期(更新時期)が最重要
  • 情報システム部門の責任者を特定
  • 拠点数が多い企業ほどDX需要が高い

▼ 製造業(生産管理/人材不足/安全対策)

  • 工場保有企業かどうか
  • ライン増設情報(プレスリリース)がアラート
  • 人手不足が深刻な職種(溶接・組立)

▼ 介護・医療(人材/システム/研修)

  • 開設時期(半年〜3ヶ月前がHOT)
  • 加算制度/補助金の変化がアラート
  • 離職率が高いエリアはWARMとして管理

業界別に“勝てる属性”を理解すると、営業効率は爆発的に上がります。


■ 6ヶ月運用チェックリスト(テンプレ付き)

次のチェック項目を毎月・四半期で見直すだけで、
リスト精度は必ず向上します。

  • □ 担当部署・役職は最新か?
  • □ 直通番号(もしくは内線)は取得できているか?
  • □ 過去の接触履歴が整理されているか?
  • □ セグメント(規模・業界)に偏りはないか?
  • □ NG理由は分類されているか?
  • □ 更新頻度にブレがないか?
  • □ 課題アラート(採用・DX・補助金)は拾えているか?
  • □ WARM/COLDの育成はできているか?

このチェックリストを回すだけで、
“反応が出るリスト”に育っていきます。


7. まとめ|リスト精度は営業の“地盤”である

ターゲットリストは、営業活動の根底にある「地盤」です。
どれだけ話法を工夫しても、リストが粗ければ成果は出ません。

改めて重要ポイントを整理します。

  • ●リスト精度は「誰に話すか」で成果の7割が決まる
  • ●部署・役職・決裁者情報は最優先で整える
  • ●情報鮮度・更新頻度が2025年は成果の分岐点
  • ●業界ごとに刺さる属性が違うため、必ずセグメントを分ける
  • ●HOT/WARM/COLDを可視化すると、未来の反応が分かる
  • ●リストは作った瞬間が“完成”ではなく、“スタート”

強いリストを作れば、
営業の生産性は“何倍にも”跳ね上がります。

ぜひ、この記事のポイントを参考に、
御社の営業リストを「資産」として育ててください。

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